スマホから注文、最短3分間で料理提供。香港発の自動調理ロボ、厨房の省人化・効率化を支援

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

スマホから注文、最短3分間で料理提供。香港発の自動調理ロボ、厨房の省人化・効率化を支援

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

すべての外食チェーンは100店舗、さらには1000店舗達成を目指すが、その道のりは険しい。まず直面する壁が料理の標準化という課題だ。加えて、家賃・材料費・人件費の高騰と利益の薄さという経営面の問題もつきまとう。

外食産業では現在、食材の無駄をなくしてコスト構造を改善するため、自動化設備の導入が始まっている。そこで注目を集めているのが、厨房の自動化システムを提供する「燧氏科技(Hestia Technology)」だ。

Hestiaは2018年に香港で設立され、中華料理専用の自動調理ロボットなどの開発を手がけてきた。主力製品は、多機能型の自動調理機、自動フライヤー、自動ソース機、食材の在庫を自動管理できる冷蔵庫の4種類。それぞれの飲食店の厨房に必要な製品を、自由に組み合わせて導入できる。

自動調理システムを制御するソフトウエア「CookOS 4.0」は、注文取りや食材の準備、調理時間などの管理を可能にする。クラウド型のサービスプラットフォーム「Hestia Cloud」を通じ、遠隔でレシピの更新や機器の制御をすることもできる。

「Hestia」の自動調理ロボット

例えば麻婆豆腐をつくる場合、ロボットアームが冷蔵庫から食材の入ったポーションカップを集め、コンベアに乗せて自動調理機まで直接運ぶ。自動調理機はひき肉や豆腐を順次鍋に投入し、鍋を振るって炒め始める。次の工程で豆板醤などの調味料を加えて炒め合わせれば、レシピどおりの麻婆豆腐が完成する。

複数の自動調理ロボをつなぎ、炒め・焼き・蒸し・煮込み・揚げなどの調理法に対応することもできる。飲食店の必要に応じて自動調理機を組み合わせることも可能だ。例えば、冷蔵庫1台と自動調理機3台を導入した飲食店もある。Hestiaの自動調理システムを導入した飲食店では、POS(販売時点情報管理)システムやスマートフォンから料理を注文すると、わずか3〜5分で料理が提供されるという。

Hestiaはこれまでに、飲食店5店舗以上で厨房の自動化を完成させている。このうち、香港にある直営のカジュアルレストラン「燧记厨房(Hestia Kitchen )」の1号店は、1平方メートルあたりの1日の売上高が216香港ドル(約4300円)、利益率は30%を上回る。スタッフは40歳以上が中心で、主に食材準備と注文取りを担当している。

自動調理機の細部

おおまかな計算ではあるが、Hestiaの厨房自動化システムを導入すると、コストを18〜37%削減でき、営業利益率は9〜17.5%向上する。人件費の削減につながるだけではない。同社の自動調理機はコンパクトで場所を取らず、安定した品質の料理を提供できるという強みもある。

Hestiaは海外市場の開拓も進めており、自動調理機などの販売、メンテナンスサポート、クラウドサービスを提供している。同社の製品は現在、日本や米国の飲食店で活躍中だという。

*1香港ドル=約20円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録