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中国車載電池大手の寧徳時代(CATL)が、世界的サプライチェーンの構築に向け、15億ドル(約2300億円)規模のファンド立ち上げに向けて動いていることが分かった。英フィナンシャル・タイムズが7月12日、関係者の話として報じた。
新たなファンドへの出資について、CATLはすでに海外の政府系ファンドや超富裕層のファミリーオフィスと交渉中で、同社からは約15%を出資する計画だという。このファンドは、CATLが欧州やその他の海外市場で生産を拡大するのに必要なサプライチェーンに資金を提供する。
中国のビジネスメディア「晚点(LatePost)」によると、CATLの曽毓群(ロビン・ゼン)会長は今年5月、全従業員宛てのメールで、海外進出を加速させる必要があると檄を飛ばした。曽氏はメールの中で、「国内市場の競争は激しさを増す一方だが、2023年の海外シェアは韓国のLGエナジーソリューションに並ぶなど、海外市場には大きな可能性が広がっている」とし、「24年の国際情勢は目まぐるしく変化しているが、新エネルギーへの転換が世界的な共通認識であることに変わりはない。『実力者』にとっては、短期的な不確実性こそがチャンスになる」と述べた。
CATLがその電池技術を提供する「LRS(ライセンス・ロイヤルティ・サービス)」を導入して以降、より多くの世界的な自動車メーカーが同社との提携を積極的に検討するようになった。曽会長は、これらの提携事業が数年で軌道に乗ることを期待しているとした上で、LRSが今後5〜10年の海外展開にとって極めて重要になるとの認識を示した。
同社の23年の中国国内シェアは67.33%、海外シェアは32.67%だった。また、韓国の調査会社SNE Researchによると、24年1~5月の世界の車載電池搭載量は前年同期比23%増の285.4ギガワット時(GWh)で、企業別ではCATLが31.1%増の107GWh(市場シェア37.5%)で1位となっている。
*1ドル=約156円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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