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中国ではビザ(査証)免除の対象国が一段と拡大する中、訪中観光客がますます増え、インバウンド市場が熱を帯びている。モバイル決済が普及した中国でのスムーズな旅行を支えるため、決済業界各社は外国人が利用しやすいモバイル決済方式を積極的に推進。外国人も「スマホ一つ」で快適な中国旅行を楽しめるようになりつつある。
外国人が中国でモバイル決済を利用するには、海外のクレジットカードを中国の決済プラットフォームにひも付ける方法と、中国アプリの追加インストールなしに海外の決済アプリで直接QRコードを読み取る方法の二つがある。
中国電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」が7月に発表したデータによると、今年上半期(1~6月)のインバウンド客によるアリペイ利用額は前年同期比9倍に増加した。2023年末以降にビザの一方的または相互免除を開始した14カ国からの観光客による利用額は16倍に急増した。
中国在住の外国人もモバイル決済の広がりを実感している。広東省深圳市にヘアサロンを構える九州出身の三浦喜進さん。理容師の家庭に生まれ、2009年に中国にやって来た。中国ではこの10年でデジタルデバイスやスマート決済が急速に普及し、人々の生活の一部となったと感じている。
三浦さんもいち早く「デジタル化」の波に乗った一人。今では日常の支払いから移動、店の経営までスマートデバイスを活用している。「タクシーを呼ぶのもデリバリーを頼むのも買い物するのも、深圳ではほとんど全てをスマホ一つで解決できる。とても便利だ」
国務院弁公庁が3月7日、「決済サービスのさらなる改善と決済の利便性向上に関する意見」を発表して以降、各決済プラットフォームが、高齢者や訪中外国人向けの決済サービスの改善と向上を続けてきた。
中国配車大手の滴滴出行(ディディ)が提供したデータによると、海外ユーザーによる配車需要は7月、前年同月比57%増えた。深圳で滴滴出行の専属ドライバーとして働く丘世聡さんは、海外旅行者の注文が今年に入って大幅に増加したと感じている。「一番多いのは中国香港の観光客で、日本や韓国の客の注文も少なくない。モバイル決済にカードをひも付け、パスワードなしの自動引き落としを活用し、流れるような移動体験を味わっている人もいる」
北京外国語大学シルクロード研究院の研究チームが103カ国の714人の外国人客を対象に中国での旅行・決済体験を調べた報告書では、対象者の98%が友人に中国旅行を勧めると回答。「郷に入っては郷に従え」でほとんどが中国のモバイル決済を経験しており、過去に中国を旅行したことのあった外国人客の86%は決済がより便利になったと答えた。
(新華社深圳)
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