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東南アジア諸国連合(ASEAN)の新エネルギー車市場で中国メーカーが伸びている。インドネシアに進出した最初の中国自動車メーカー、上汽通用五菱汽車は現在、同国新エネ車市場の50%以上のシェアを占める。24年末には現地法人が16万台目の完成車となるコンパクトカー「雲朶(クラウドEV)」をラインオフした。
東南アジアでは昨年、中国の多くの新エネ車メーカーが躍進を遂げた。上汽通用五菱汽車のほか、比亜迪(BYD)、奇瑞汽車、長城汽車などが競争力のある価格設定と最新の機能、強力なアフターサービスを武器に市場を開拓した。
統計によると、24年上半期(1~6月)のインドネシアの電気自動車(EV)販売台数は約1万2000台で、最も売れたのは中国ブランドだった。タイ自動車協会(TAI)の統計では、23年のタイのEV登録台数は約7万6000台で自動車登録台数の12%を占め、上位4位を中国ブランドが独占、上位10位のうち八つが中国ブランドだった。カンボジアではBYDが最も人気のあるEVブランドの一つとなっている。
世界的コンサルティングファームのアリックスパートナーズのリポートによると、中国本土の自動車市場では30年に自国ブランドが7割以上を占めるようになり、海外販売台数は900万台に達し、世界の自動車市場のシェアは33%に拡大する見通しだ。
業界関係者によると、東南アジアの消費者は品質の良さとともに価格の安さを重視する。中国の自動車メーカーはこの傾向をよく把握し、現地の状況に合わせ、経済性と先端技術を兼ね備えた車を発売し、東南アジアで急速に市場を拡大した。
中国メーカーの進出は、東南アジア各国にもさまざまな利益をもたらしている。インドネシア・中国パートナーシップ研究センターのベロニカ・サラスワティ所長は、中国とインドネシアの経済貿易協力は、数字で表れる成果があるだけでなく、知識と技術の移転を伴っており、インドネシアの産業レベルと製造能力の向上に役立つとの考えを示した。
タイ自動車研究所(TAI)戦略部門の責任者、ラチャニダ・ニティパタナピラク氏は、中国のEVが市場をリードする状況は、タイと中国の自動車産業の生産能力協力を促進するだけでなく、バッテリーや充電器などのサプライチェーン(供給網)企業の発展も加速させ、タイに整ったEV産業チェーンを形成する後押しになると指摘した。
インドネシア大学経済学部のテグー・ダルタント学部長は、ますます多くの中国製EVがインドネシアを含む東南アジアの市場に参入していることは、地域のグリーン(環境配慮型)発展のニーズと合致し、地元企業の技術レベルを向上させ、産業チェーンの発展を促進するのに役立つとの認識を示した。【新華社南寧】
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