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トヨタ自動車と中国・広州汽車集団の合弁会社「広汽トヨタ」は3月6日、新型スマート電気自動車(EV)「鉑智3X(bZ3X)」を発売した。多目的スポーツ車(SUV)タイプで、販売価格は10万9800〜15万9800元(約220万〜320万円)。トヨタが劣勢の中国市場で反転攻勢をかけるカギになるとみられる。
bZ3Xの自動運転版は14万9800元(約300万円)からで、中国の自動運転スタートアップMomenta(モメンタ)の運転支援システム「Momenta 5.0」と米NVIDIA(エヌビディア)の自動運転向けチップ「Orin-X」を搭載。LiDAR1基とカメラ11個、超音波レーダー12個、ミリ波レーダー3個、計27個のセンサーを備え、マップレスの自動運転や自動駐車など25種類の自動運転支援機能を実現する。
中国ではすでに、BYDが10万元(約200万円)を切る価格で自動運転システム搭載車を提供しているが、LiDAR搭載で15万元を切ったのはbZ3Xの自動運転版が初となる。
bZ3Xは、中国の消費者ニーズに合わせ、トヨタと広汽トヨタなどが共同開発した。中国トップクラスの自動車メーカーに匹敵する自動運転技術と、トヨタならではの安全性を両立している。広汽トヨタは発表会で、「安全性の確保はスピードの追求よりも重要だ」と強調した。
ここ数年、中国の自動車市場ではスマートEVが急速に台頭し、広汽トヨタのシェアは徐々に縮小している。bZ3Xの発売は、トヨタがスマートEV分野に仕掛ける初の試みで、中国市場での競争力回復の始まりでもある。公式発表によると、発売からわずか1時間で予約販売台数は1万台を突破したという。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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