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中国上海市では人型ロボットに代表されるエンボディド・インテリジェンス産業が急速に発展している。同市浦東新区で11日、上海螞蟻霊波科技が設立された。同区の産業集積の加速を支援し、人型ロボットのバージョンアップとイテレーションを促進する。
同社は螞蟻科技集団(アント・グループ)のエンボディド人工知能(AI)とロボット業務を拡大する主要な担い手として、高齢者介護、医療・ヘルスケアなどの分野で業界をリードするロボット製品の開発に尽力していることがプレート除幕式でわかった。
上海市政府とアント・グループが締結した新たな戦略的協力深化協定に基づき、同グループは最先端技術分野の研究への投資を拡大し、上海AI産業のエコシステム構築に積極的に参画し、上海国際科学技術イノベーションセンターの建設をサポートする。
浦東新区では現在、螞蟻霊波科技のほかにも、数多くの大手人型ロボット企業と業界の川上・川下企業の集積が加速しており、すでに人型ロボットのエンボディドAIオープンソースの訓練場と智元機器人(AGIBOT)の人型ロボットの訓練場を中心とする高品質データ「コーパス」が形成されている。具体的には、ラピッドプロトタイピング(rapid prototyping)プラットフォーム、プロトタイプ工場、検証・検知を中心とする機能的サービスプラットフォームや大規模言語モデル(LLM)、基本ソフト(OS)、感知システムなどのソフトウエア企業、およびアクチュエータ、センサー、柔軟ロボットハンドなどのハードウエア部品企業を中心とする川上・川下の付帯産業チェーンには、100社余りのロボットエコシステム企業が集まっている。
3月10日、浦東新区に拠点を置く智元機器人はGenie Operator-1、略称「GO-1」と名付けられた汎用(はんよう)的なエンボディド向けLLMを正式にリリースした。GO-1モデルの普及とオープンソース化に伴い、エンボディドAIの普及が加速し、商業、工業、家庭など多くの分野でより大きな役割を果たすことになる。
「例えば、ロボットが水を注ぐ動作は、以前は1万件以上の高品質なデータを収集する必要があったが、GO-1モデルでは1千件だけ収集すればよい」。智元エンボディド研究センターの任広輝常務主任は、これでロボットの訓練コストが大幅に削減されると話した。
業界エコシステムが絶えず整備されるのに伴い、浦東新区の人型ロボットの応用実施も一段とスピードアップしている。例えば、上海傅利葉智能科技(Fourier)GRxシリーズの人型ロボットはすでにガイドツアーや学術研究、医療リハビリなどの分野に応用されている、智元機器人は浦東張江ハイテク産業開発区に業界初のデータ収集工場を稼働させ、毎日100台のロボットが訓練を受けている。
ロボット産業の質の高い発展を推進する主要拠点の一つとして、浦東新区の張江ロボットバレーには30社以上の人型ロボット関連産業チェーン企業が進出している。張江ロボットバレー産業責任者の王濤氏は「今年、パーク内企業の人型ロボットの出荷台数は1万台以上になる見込みだ。研究開発テストなどより多くのサービスを提供し、企業の製品ができるだけ早く実用的なニーズを持つシナリオの応用に参入できるようにする」と話した。
【新華社上海】
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