セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
中国江蘇省無錫市で25日、第1回「エンボディド(Embodied=身体性を有する)人工知能(AI)ロボット運動会」が開催され、人型ロボットが人間と並んでマラソンをしたほか、ロボット同士による競走やサッカーの激しい競り合い、格闘技でのぶつかり合いなど、SF映画さながらの光景が繰り広げられた。
主催した中国電子学会によると、今回の運動会では徒競走やクロスカントリー走のほか、サッカーやバスケットボール、格闘技、ダンスといった競技・デモンストレーション種目を設定。全国から研究開発チームや有名企業100団体余りが参加し、さまざまな形態の「ロボット選手」150体以上が一堂に会して競い合った。
同学会の関係者によると、参加したロボットは運動だけでなく考えることもでき、一部の競技ではロボットの環境認識能力や自律的な意思決定能力が試された。例えばクロスカントリーランでは草地や水たまり、斜面といった複雑な地形を自ら認識して乗り越える必要があったという。
同市にあるロボットメーカーの責任者、郭大宏氏は「ランニングなどの運動を通じてロボットの特定構造の安定性が示され、得られた試験データによってロボットの性能を一層人間に近づけられる」とし、最終的にはロボットがより人間に近い方法で単調で危険、高負荷な作業を引き継げるようにしたいと述べた。
同学会によると、人型ロボットの応用シナリオマップは、自動車製造や家庭サービス、宇宙開発、緊急対応など20種類近い分野に広がっており、溶接作業や巡回警備のほか、消防活動や惑星探査にも活用できるという。
郭氏は、カスタマイズトレーニングが可能な工業製造現場が人型ロボットにとって最初の大規模展開分野になると予測。将来的にはサービス分野で市場が大きく広がることが期待されるものの、現時点ではまだ初期段階にあるとの認識を示した。
中国のテクノロジー企業は、ロボット産業において爆発的な成長に向けたエネルギーを蓄積している。データによると、昨年末時点で全国のスマートロボット関連企業数は20年末の約3.1倍となる45万1700社に達した。【新華社南京】
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録