中国新興EV4月販売:“コスパ重視”零跑汽車が首位キープ、AITOがファーウェイ後押しで4位に

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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2025年4月の新車販売(納車)台数を発表した。零跑汽車(Leap Motor)が4万台余りを売り上げ、2カ月連続の首位に輝いた。小鵬汽車(XPeng Motors)は6カ月連続の3万台超えを果たしたものの、零跑には及ばず2位となった。

ファーウェイが技術や販売支援を提供するEVブランド連合「鴻蒙智行(HIMA)」は販売台数を公表していないが、自動車中堅の賽力斯集団(SERES)と打ち出すEVブランド「問界(AITO)」が前月から1万台余り販売台数を伸ばし、4位に浮上している。

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1位:零跑汽車

零跑汽車(Leap Motor)の4月の販売台数は前年同月比173%増の4万1039台だった。同社は一貫してコストパフォーマンスの高さを打ち出してきたが、2024年3月に発売したSUV「C10」が高いスペックと優れた品質、洗練されたデザインで爆発的な人気を呼び、一躍中国新興EVメーカーのトップグループに躍り出た。

グローバル市場向けに開発した「B」シリーズの第1弾、新型SUV「B10」は9万9800元(約200万円)と低価格で、4月10日に発売してから16日間で1万台を生産したという。4月23日には上海モーターショーで第2弾のセダン「B01」を披露し、30日には先行予約を開始。欧州自動車大手ステランティスとの提携で、欧州展開を加速する。

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2位:小鵬汽車

小鵬汽車(XPeng Motors)の4月の販売台数は前年同月比273%増の3万5045台だった。新興勢で唯一、6カ月連続の3万台超えを果たし、安定した実力を示した。

同社は独自の人工知能(AI)チップ「「図霊(TURING)」の量産を近く開始するなど、AIを活用した自動運転支援に力を入れており、4月28日には業界に先駆けて「自動運転支援向けの安心サービス」を打ち出した。保険大手5社と提携し、年間239元(約4800円)の掛金で最大100万元(約2000万円)の補償を提供する。

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3位:理想汽車

理想汽車(Li Auto)の4月の販売台数は前年同月比31.6%増の3万3939台だった。このところ新型車の発表など目立った動きはなかったが、上海モーターショーでは高級ミニバン「MEGA」の特別仕様車を披露し、注目を集めた。価格は約60万元(約1200万円)と高額だが、ゆったりくつろげる車内空間で富裕層の取り込みを図る。

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4位:AITO

自動車中堅の賽力斯集団(SERES)がファーウェイと共同開発したEVブランド「問界(AITO)」の4月の販売台数は、前年同月比9.3%増の2万7203台だった。前月の1万3700台から1万3000台余り増加した。3月にはSUV「M5」「M9」の改良版が、4月にはファミリー向けに価格を抑えた「M8」が発売されており、今後の販売増に拍車がかかるとみられる。

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5位:小米汽車

スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が手がける「小米汽車(Xiaomi Auto)」の4月の販売台数は、前月より約1000台下落して28000台余りとなった。3月末に発生した同社初のEV「SU7」による死亡事故が、自動運転支援機能の信頼性をめぐって波紋を広げたのは記憶に新しい。しかし、販売台数にさほどの影響はなく、上海モーターショーでもSU7とスポーツカー版の「SU7 Urtra」に来場者が詰めかけた。6〜7月には新型SUV「YU7」の発売も予定されている。

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6位:NIO

蔚来汽車(NIO)の4月の販売台数は前年同月比53%増の2万3900台だった。うち、セカンドブランドの「楽道(ONVO)」が4400台と着実に販売台数を伸ばしている。サードブランド「蛍火虫(firefly)」のコンパクトEVの納車も4月末に始まっており、今後の動向に注目が集まる。

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上海モーターショー(4月23日〜5月2日)では、新興各社も新型車はもとより、人工知能(AI)や自動運転支援機能導入の取り組みを披露した。スマート化が焦点となる中国EV市場で新興勢がどう戦うか。5月以降の販売台数の動向からも目が離せない。

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(36Kr Japan編集部)

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