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中国電気自動車(EV)メーカーの蔚来汽車(NIO)は4月19日、新ブランド「firefly(蛍火虫)」の第1弾モデルを中国で先行発売した。ブランドと同名の「firefly」は、42.1kWh(キロワット時)のバッテリーを搭載し、航続距離は中国独自のCLTC基準で420km、100km当たりの電力消費量はわずか10.9kWhとなっている。価格は11万9800元(約230万円)からで、4月29日から納車を開始する。
fireflyはグローバル市場向けの高級小型EVで、今後は欧州や中東など世界の主要市場でも発売し、独BMWの「MINI」や独メルセデス・ベンツの「Smart」に対抗する。NIOの李斌CEOは以前、「fireflyは、MINIよりもスマート、Smartよりもミニだ」と表現していた。
中国では、初めて車を購入する若者だけでなく、2台目以降の購入を考えるファミリー層もターゲットとする。搭載バッテリーは充電・交換・アップグレードが可能で、8月1日からはリースプログラム「BaaS(Battery as a Service)」が始まり、2026年初めにはNIOの第5世代電池交換ステーションに対応する予定だという。
電池交換ステーションはNIOブランドやセガンドブランドの「楽道(ONVO)」とは共有せず、より小規模かつ低コストなfirefly専用ステーションを設置するという。BaaSプログラムを利用すれば、fireflyの車両価格は10万元(約190万円)以内に収まる見通しだ。
中国の小型EV市場には大きな潜在力がある。中国乗用車協会(CPCA)によると、2024年にはA0クラスの小型乗用車のうち68.7%が新エネルギー車となった。また、25年3月のバッテリーEV市場では、A0クラスの販売台数が17万7000台と全体の25%を占めた。とはいえ、この分野にはすでに多くのメーカーがひしめいているため、fireflyは激しい競争に直面する可能性がある。
*1元=約19円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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