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隔年開催の上海モーターショー(第21回上海国際自動車産業展覧会)が、今年は4月23日から5月2日まで開催され、国内外から約1000社の自動車および関連企業が参加し、過去最大規模の盛況となった。
今回のショーでは、新エネルギー車(NEV)が圧倒的な存在感を放ち、来場者の注目を集めている。蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng)、理想汽車(Li Auto)といった中国を代表する新興電気自動車(EV)「御三家」のほか、小米汽車(Xiaomi Auto)、NIOの新ブランド「楽道(ONVO)」や「firefly(萤火虫)」の展示ブースには多くの人が詰めかけた。
ホール8.1では、中国EV最大手のBYD(比亜迪)が中心となり、4つの発表イベントで大きな盛り上がりを見せた。ホール4.1では奇瑞汽車(Chery Automobile)が主役をつとめ、中東や南米から訪れたディーラーによる試乗や商談で賑わっていた。2023年に奇瑞汽車が立ち上げた新型スマートEVブランド「iCAR」の販売員は、「今回は特別に2名のバイリンガルスタッフを配置して対応しています」と語った。
一方で、華やかな会場の熱気とは対照的に、静かに姿を消した自動車メーカーもあった。フランス系の東風シトロエン(雪鉄龍)や東風プジョー(標致)、英国のジャガー・ランドローバーは今回のモーターショーに出展していない。また、韓国勢では、現代自動車(ヒョンデ)、その傘下の起亜(Kia)、高級ブランドのジェネシス(Genesis)も出展を見送った。韓国ブランドが2002年に中国進出して以来、世界規模のモーターショーから姿を消すのは今回が初めてとなる。2024年1〜10月の中国市場における韓国ブランドのシェアは、わずか1.6%にとどまっている。
なお、北京現代は上海モーターショーへの出展を見送ったものの、4月21〜22日に上海でブランド戦略説明会と初のE-GMPプラットフォームを採用したSUV「ELEXIO」の世界初公開イベントを開催。「中国から世界へ」を掲げた新たなグローバル戦略を打ち出した。
日本勢は依然として中国市場を重要視する姿勢を見せた。トヨタは「bZ 7」、ホンダは「Honda GT」、日産は「N7」など、それぞれ新型EVを出展。かつては中国で大きな存在感を示し、2020年時点でシェア24.1%を占めていた日系ブランドだが、24年にはシェアは11.2%に半減し、過去最低を記録している。
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これまでモーターショーで脚光を浴びていた超高級車ブランドの出展も減少した。今回はランボルギーニ、マセラティ、ロールスロイスなどは姿を見せず、出展したのはベントレーとポルシェのみにとどまった。
中国自動車流通協会のデータによれば、2025年1〜3月における販売価格100万元(約2000万円)以上の新車販売台数は、前年同期比53%減の2万1000台だった。1〜2月の期間ではベントレー、ロールスロイス、フェラーリ、マセラティ、ランボルギーニのいずれも販売台数が前年を下回り、特にランボルギーニは67.3%減と大幅な落ち込みを見せた。
その一方で、中国メーカーによる超高級車市場への参入も目立っている。BYDの高級ブランド「仰望(Yangwang)」は今回が2回目となる上海モーターショーへの出展で、昨年はロールスロイスやマセラティと並んで8.1Hホールに展示されていたが、今年は同じBYDの高級ブランド「騰勢(DENZA)」や「方程豹(Fangchengbao)」と並んで出展された。
仰望は上海モーターショー直前に、累計販売台数が1万台突破したことを発表。100万元超の中国製モデルとしては初めて、販売台数1万台の大台を達成した。
また、ファーウェイと江淮汽車(JAC)が共同開発した超高級EV「尊界 S800」も今回のモーターショーで初披露された。マイバッハやロールスロイスをベンチマークした尊界(MAEXTRO)ブランド初のモデルとして、5月に正式発売される予定だ。高度な運転支援システム「HUAWEI ADS 4」や、業界初のデジタルシャシーなど最新技術を搭載し、予約開始からわずか48時間で2000台以上の注文を受けたという。
ただ中国国内でも競争が激化しており、持ちこたえられなかった新興ブランドも少なくない。高合汽車(HiPhi)、極越汽車(Jiyue Auto)、哪吒汽車(Neta)など、経営破綻などが報じられた一部の中国メーカーは出展を見送った。
出展企業の顔ぶれを見るだけでも、中国自動車市場が大きな転換期を迎えていることがうかがえる。
(36Kr Japan編集部)
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