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2017年、カーシェアリング業界の資金調達額は764.59億元(約1兆1500億円)に達し、シェアリングエコノミーのなかでも最高額となった。しかし、冬の時代がすぐに到来し、2018年の中国のシェアリングエコノミーの年間資金調達額は史上初めての減少に転じ、ライドシェア、自転車シェアリング、カーシェアリングなどすべての分野で減少した。
中国では2010年に「車紛享(CCCLUBS)」が国内初の電気自動車のカーシェアリングシステムを開発し、実用化させた企業となり、2013年には「EVCARD」に代表される多数のプラットフォームがカーシェアリング事業に進出。2015年からは大手自動車メーカーが参入し、「北京首汽集団」と「上海汽車集団」などが独自のサービスを展開。マネーが大量に流れ込んだことでこの業界は急拡大し、カーシェアリング企業はどこも意気揚々としていた。
倒産がなかったわけではない。それでも、投資家は2018年も成長が見込まれるカーシェアリング企業に投資し続けた。アリババグループ傘下のアント・フィナンシャルが「立刻出行(LIKE)」に出資、上海フォルクスワーゲン傘下のVC「大衆資本」と中国本土の自動車メーカー「奇瑞汽車(CHERY)」が「GoFun出行」に出資するなど、大きな動きが相次いだ。しかし、カーシェアリングで生き残れるプレーヤーは減り続けている。
10月23日、GoFun出行は北京で戦略発表会を行い、「GoFun Connect」と題するハード、ソフト、運営が一体化したシステムを発表した。車両の製造、運営、アフターマーケット、金融、保険、中古車取引など自動車に関する全サイクルをカバーすることができる。
GoFun出行はGoFun Connectを通じて、パートナー企業とともに自動車の産業チェーンの再構築を目指すとしている。さらに、IoV(Internet of Vehicle、車のインターネット)技術によって、人・車・サービスをよりシームレスにつなげ、車両の管理と利用に関わる最高のプラットフォームを作ると意気込んでいる。
現在、カーシェアリング事業には3種類の企業がある。インターネット企業型のスタートアップ、自動車メーカー、レンタカー・カーリース会社だ。彼らは自身の強みを活かそうと、それぞれ異なった戦略を採っている。
スタートアップはユーザー体験の向上と、車両の運営力などサービスに力を入れる。しかし、運営コストが高くなると、多額の資金が必要になる一方、収益化モデルの確立が難しいため、短期間での黒字化が見込めずに資金繰りが悪化するリスクが高くなる。
レンタカー・カーリース会社は低価格戦略を取っている。これらの企業は十分な台数の車両を保有し、店舗も多いため、稼働率の低い車両を生かしてサービスを展開している。
自動車メーカーはこれら3種類の企業のなかで最も強みを持つ。北京首汽集団のGoFun、上海汽車集団のEVCARDなどがその代表だ。彼らは途絶えることなく車両を投入でき、自社製品であるがゆえにコスト・コントロールがしやすい。メンテナンスコストも低く、リスクに十分対応可能だ。
消費者心理の変化とシェアリングエコノミーの普及により、自動車は購入するものではなく、シェアするものという考え方が浸透してきた。コンサルティング会社のローランド・ベルガー社によると、中国のカーシェアリングの車両台数は2025年に60万台に達する。交通に関するシェアリングサービスの利用者は3700万人/日になり、年間3800億元(約5兆7000億円)の市場になる。関連する市場を合わせると1.8兆元(約27兆円)規模に上るという。
それでも、運営コスト、収益化モデルの確立といった課題は今なお未解決だ。また、大都市でのナンバー新規交付の数量制限、充電スタンドの不足とメンテナンスの不備による走行距離の制限も課題だ。さらに、コネクテッド・カー、自動運転、スマート交通システムの進化など新たな変化もあり、模索はまだまだ続きそうだ。
画像提供:GoFun
(翻訳:小六)
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