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業務用食器洗浄機のリース事業を展開する「江蘇小格智能技術(Jiangsu Xiaoge Intelligent Technology)」(以下、小格智能)がこのほど、南京六翼投資管理が主導するシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。資金は、安徽省におけるスマート製造工場の建設と、香港に続きシンガポールや台湾などグローバル市場への事業拡大に重点的に用いられる。
小格智能は2021年設立。外食チェーンや工場・学校・行政機関の食堂といった法人向けに業務用食洗機のリースサービスを提供しており、「海底撈火鍋」や「外婆家」「小菜園」など中国の有名レストランチェーン店も顧客に抱える。リース以外に、設備運営やSaaSサービスなども手がけている。
創業者の程敏華CEOは、中国の業務用食洗機リース市場に大きな成長の余地があると見ている。業務用食洗機は中国当局の消毒基準に準拠しており、衛生管理を重視する大手外食チェーンを中心に、導入が着実に進むと予想される。
また、リース方式は設備の使用権と所有権が分かれているため、事業者側がリソースを効率的に統合でき、設備稼働率の最大化が可能になる。その有効性は、リースが一般的な海外市場ですでに実証されている。
同社はスマート設備を基盤に、設備のリース・スマートサービス・データ活用を組み合わせた一体型ソリューションを提供することで、厨房のデジタル化や軽量化を後押しし、厨房設備リース分野でのデジタルインフラの整備を加速している。
高度にスマート化が進んでいる家庭用設備に比べ、業務用厨房設備のスマート化は遅れており、IoTやリモート操作といった基本機能すら搭載されていないケースも多い。程CEOは、こうした従来型産業にこそスマート化による成長機会があると捉えている。
小格智能の食洗機には「小格厨房」アプリとWeChatミニプログラムが用意されている。スマートフォンからサービス申し込みが可能で、設置やメンテナンス、消耗品の利用履歴を確認できるほか、手軽に食洗機の稼働データや運用レポートを取得できる。スマート診断機能も備わっており、設備に内蔵されたセンサーが温度や水圧、洗剤使用量など14項目のデータを集め、4Gネットワークを通じてクラウド管理システムに送信することになっている。
省エネ性能にも優れており、5.71kWの出力に熱回収と温冷分離技術を組み合わせたことで、1回の洗浄に必要な電力量を従来設備の半分の0.15kWhに抑えた。高い省エネ性能のおかげで、2024年の出荷台数は前年比2倍に拡大した。
現時点で、小格智能は飲食業界トップ100企業のうち40社以上と取引があり、導入店舗は全国で2万店舗近くに上る。試算によると、1店舗あたり年間3万元(約60万円)以上のコスト削減になるという。2025年の販売台数は数万台に達する見通しで、市場シェアは40~50%に達する見通しで、売上高も倍増が期待されている。
今後は、スマート性能をさらに高めた低コストの製品開発に注力し、製品ラインの拡充を進めていく方針だ。すでに食洗機関連の消耗品や周辺機器の提供も始めており、将来的には製氷機やオーブンなど、ほかの業務用厨房設備にも事業を広げていくという。
また、3~5年をかけて、サービス拠点を現在の省都中心から全国800以上の地方都市にも拡大し、1000カ所以上の拠点設置を目指す。海外市場では、各国に最低1カ所の拠点を設ける目標を掲げている。
*1元=約20円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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