中国3Dプリンター生産、NEVや産業ロボット上回る成長率 家庭用需要が押し上げ

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中国国家統計局はこのほど、今年5月の3Dプリンター生産台数が前年同月比40.0%増となり、伸び率は産業用ロボット(35.5%)や新エネルギー車(NEV、31.7%)を上回ったと明らかにした。3Dプリンターの生産台数は年初以降、高めの伸びを維持し、4月は60.7%、1~3月は44.9%それぞれ増加した。

3Dデータに基づいて材料を一層ずつ積み重ねて立体物を造形する「積層造形」(アディティブ・マニュファクチャリング、中国語で「増材」)分野の企業や機関などが所属する、中国増材製造産業連盟の李方正副秘書長は「3Dプリンター生産台数が大幅に増えた主な要因は、家庭用3Dプリンターの国内外販売台数がそろって増加したことにある」と説明した。

複数の業界関係者は、3Dプリンターの販売が増加した理由として、次の3点を挙げた。一つ目は、3Dプリンティングのコンテンツエコシステムが成熟しつつあり、ユーザーの規模と需要がいっそう拡大した。二つ目は、家庭用3Dプリンター分野が大規模生産モデルを形成し、製品の質も技術の向上によって高まり、製品の普及につながった。三つ目は、家庭用3Dプリンターの値下げなどが、海外の需要の増加をけん引した。

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「海外市場は中国3Dプリンターメーカーの新たな戦略的成長市場となり、家庭用3Dプリンターは輸出の伸びで主導的地位を占めている」と同氏。中国の3Dプリンターブランドは世界の家庭用機器市場で優位性を確立し、海外市場の需要が国内の生産拡大をけん引しているとした。同連盟のデータによると、中国の3Dブリンター大手の多くは、年間売上高が10億元(約200億円)を超え、製品は200以上の国と地域をカバーしている。税関総署によると、中国の今年1~4月の3Dプリンター輸出台数は140万台になり、輸出額は29億元(約580億円)を超えた。うち家庭用3Dプリンターは輸出台数が139万9000台、輸出額が27億3000万元(約550億円)で、3Dプリンター輸出額全体の約94.0%を占めた。

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価格の低下は、3Dプリンターの輸出を加速させる「起爆剤」となっている。税関総署の推計によると、米国に輸出される家庭用3Dプリンターの平均価格は約293ドル(約4万2000円)だった。【新華社北京】

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