プラチナ世界大手、中国水素市場に熱視線 現地拠点設立で成長機会探る

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プラチナ世界大手バルテラ・プラチナムでマーケティング部門の最高責任者を務めるヒルトン・イングラム氏はこのほど、中国上海市で取材に応じ、中国水素エネルギー市場の急速な発展により、プラチナなどの金属が水素エネルギーのバリューチェーンにおいて重要な役割を果たすようになりつつあるとの見解を示した。プラチナ族貴金属の主要メーカーとして、同社は中国の水素エネルギーと燃料電池車(FCV)分野の発展に期待するとともに、その中で積極的に発展の機会を探っていると明かした。

同社は今年、英鉱業大手アングロ・アメリカンからスピンオフ(分離・独立)し、株式併合を行い、南アフリカのヨハネスブルグ証券取引所(JSE)と英ロンドン証券取引所(LSE)に上場した。

イングラム氏は「当社は世界をリードするプラチナメーカーであり、スピンオフ後も世界各地のユーザーにサービスを提供することに注力し、これまで通り水素エネルギー経済の発展を後押ししていく。今後は自社の事業領域の発展に一層専念し、市場への反応速度と機敏性を高めていきたい」と述べた。

「中国は水素燃料電池車の保有台数で世界をリードし、多くの面で技術優位性がある」と指摘。「以前の中国は多くの部品を輸入する必要があったが、今ではすべて国産化を実現している点に大きな感銘を受けている」と明かした。

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中国の水素エネルギー技術分野の進歩を評価すると同時に、水素エネルギーの貯蔵・輸送分野には依然として発展のボトルネックが存在するとの認識も示した。特に70メガパスカル(MPa)の高圧水素ステーションの数と配置は、乗用車の運用に伴う需要に十分に対応できていないと指摘した。燃料電池乗用車分野においても、他の国に比べて次世代の人気車種が乏しいと強調した。中国企業が協力を通じてモデルプロジェクトの発展を推進し、黒字を実現することへの期待感を示した。

中国水素エネルギー市場の発展の潜在力に対する揺るぎない期待も明らかにした。同社は上海に現地組織を設立し、燃料電池やグリーン水素生産などの分野におけるプラチナ族貴金属の産業化を支援している。「中国で実用化し、世界へ広げていく」という戦略的目標の達成に向け、現地のリーディングカンパニーとの協力を積極的に開拓している。

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中国が水素エネルギーの発展において直面している多くの試練は他の国と似通っていることから、企業間協力を推進することが力を合わせて試練に対応することに役立つとの考えも示した。産業チェーンのボトルネックを解消し、政策、金融、産業、市場の好循環の形成を後押しし続けていきたいとした。【新華社北京】

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