買い替え・買い増しの増加で中国の自動車市場の将来は楽観的 マッキンゼー予測 

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中国の自動車販売は15カ月連続で前年比減少となったが、買い替えを検討しているユーザーは顕著に増えており、購買意欲はむしろ強まっている。

マッキンゼーはこのほど、『2019年マッキンゼー自動車消費者インサイト』と題するレポートを発表した(以下「レポート」)。レポートによれば、中国の自動車市場の低迷は短期的なものであり、需要のファンダメンタルズは崩れておらず、未来は明るい。買い増し、買い替えの両方に高いポテンシャルがあるという。

マッキンゼーは次の3つの要素から上述の結論に至った。人口1000人あたりの自動車保有台数の少なさ、マイカーに対する消費者のニーズの堅調さ、そして買い替えや買い増しをする消費者の増加だ。

レポートによると、1000人あたりの自動車保有台数や道路などインフラ建設の進捗状況を考えれば、中国の自動車総数はまだ非常に少ない。1000人あたりの保有台数は173台で、米国の873台、豪州の747台、イタリアの695台、マレーシアの433台、ロシアの373台など比べれば、まだ大きな成長の余地がある。

また、消費者のマイカーへのニーズも堅調で、今後の市場拡大が期待できる。マッキンゼーの調査によれば、18~24歳の消費者のうち、47%が運転を楽しむために車を購入すると回答し、32%が車を所有することがステータスだと回答した。

さらに、2017年から2019年の2年間で、買い替えや追加購入をする消費者が顕著に増えた。現在の自動車所有者のうち、買い増しをする消費者の比率が毎年伸びているのだ。

マッキンゼーが2019年と2017年のデータを比較したところ、すでに車を購入したことのある人のうち、再度購入した人が2017年の10%から2019年の30%に増えたことがわかった。このうち、月間の世帯所得が4.8万元(約72万円)以上の消費者が57%、一級都市在住の消費者が36%を占めている。

中国の自動車市場の先行きについて、「中国自動車エンジニアリング学会」の名誉理事長付于武氏も今月10日のインタビューで楽観的な見通しを示した。同氏は今後の成長を支える「トロイカ体制」が必要だと考え、その一角が買い替え・買い増しであり、そのほかに輸出が大事だと指摘する。

付于武氏によると、中国の自動車輸出台数は約100万台で、そのうち海外との合弁ブランドが30万台だ。残りの70万台は商用車が大半を占める。100万台でも中国の年間自動車生産販売台数の3%しか占めていないため、成長の余地は十分にある。ドイツ、日本などの輸出比率を考えると、付氏は「20%程度まで伸びることは間違いない」と予測する。

また、マッキンゼーのレポートは、消費のレベルアップによるチャンスも指摘している。調査対象者のうち60%が次の車はより価格の高いものを購入したいと回答した。ただし、価格帯が大幅に上るのではなく、20万~30万元(約300~450万円)の高級車のエントリーモデルを購入したいという回答が最も多かった。

ボディタイプ別では、次の購入候補としてSUVの人気が最も高い。約50%の調査対象者が検討していると回答し、その年齢は35-65歳が中心だった。

(翻訳:小六)

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