アリババが香港に上場 張会長「20歳の若きアリババの新たな出発」

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中国を代表するテックジャイアントのアリババ・グループが26日、香港に上場した。初値は公開価格を6.25%上回る187香港ドル(約2600円)をつけた。

IPO目論見書によると、アリババは新規株を5億株発行するほか、応募超過時の追加分7500万株によって最大1012億香港ドル(約1兆4100億円)を調達する計画だった。現時点で、今年の新規株式公開案件としては最大規模だ。

上場セレモニーは張勇(ダニエル・チャン)会長、蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)副会長が取り仕切り、9月に会長職を退いたばかりの創業者ジャック・マー(馬雲)氏は出席しなかった。今回の上場は香港情勢の影響で延期を経たため、マー前会長の引退までに間に合わなかったが、新会長の張氏にとっては就任後初の大型イベントとなった。アリババは2014年にニューヨーク証券取引所にも上場しているため、重複上場となる。今回はニューヨーク上場時と同様、10人の事業パートナーを引き連れて上場の鐘を鳴らした。

調達した資金の用途について、目論見書では新規ユーザー獲得とユーザーのエンゲージメント向上、企業のデジタル化支援のアップグレード、運営効率向上やイノベーションへの貢献に充てるとしている。

アリババは2007年、傘下のB2B事業「アリババ・ドットコム」単体で香港に上場したが2012年に上場を廃止。翌2013年にグループ全体での香港上場を計画したが、香港取引所の制度と企業体制が折り合わずに断念した経緯がある。しかし香港取引所は2018年4月に上場基準を緩和したため、普通株式と複数議決権株式を併用した「パートナー制度」を採用するアリババの上場が可能になった。これを機に、アリババのみならず多くの有望企業が相次いで香港に上場している。

香港上場によってアリババ株の流動性は大幅に高まり、中国本土の投資家による取引も自由化する。アリババはマクロ経済の不確実性がもたらすリスクにも存分に対応できるようになるということだ。

張会長は投資家に宛てた信書で、今回の香港上場について「弱冠20歳の若きアリババにとって新たな出発点となる」と綴っている。また「目下の香港社会は重大な変化の時を迎えているが、我々は依然として香港の美しき未来を信じている。微力ながら、香港の未来を築くため積極的に貢献していきたい」とも述べた。
※画像提供:アリババ公式サイト
(翻訳・愛玉)

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