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「室内家庭菜園にチャレンジしたくて野菜の苗を買ってきたが、いつの間にか全部枯れてプランターだけになっていた」。そんな都市生活者の悩みを解決するため、四川省成都市のテックスタートアップ「四川宗棠科技」が人工知能(AI)搭載のスマートプランターシステム「植物公寓(PLANT LOFT)」を打ち出した。
PLANT LOFTは「アート盆栽」を思わせる縦型の立体栽培機で、独立したモジュール設計を採用し、ハーブから葉物野菜、果物まで最大30種類の植物を同時に育てられる。しかも、内蔵のスマート管理システムが水量・肥料量・温湿度・照射光量を自動制御するため、手間は最小限で済む。
昔ながらの室内家庭菜園は、日照不足や不適切な水やり、病虫害などが原因で失敗しがちなうえ、見栄えも良くなかったが、PLANT LOFTはこれらの課題解決を目指す。
▪️AIによる環境コントロール:内蔵センサーが作物の生育環境を常にモニタリングし、AIシステムが光の強さや水の量などを自動調節することで、最適な生育条件を確保する。
▪️独自開発の消耗材:セットで提供される播種済みのプランターと液体肥料は、社内テストでは発芽率90%超を確認。ユーザーは好きなセットを選び、PLANT LOFTに設置するだけで確実な収穫が期待できる。
▪️インテリア性:ミニマルで洗練されたデザインが、住宅・商業空間に自然に馴染む。
すでにレストランや幼稚園などの教育機関、スマートホーム展示場などに導入されている。また、中国国内に加えてマレーシアやベトナムでも販売し、2025年5月までに累計200台以上を出荷した。
宗棠科技は現在、家庭用スマートプランターと関連製品で計6件の専利(特許、実用新案、意匠)を出願中。中国農業科学院の都市農業研究所などとの技術連携も進めている。共同創業者で最高執行責任者(COO)の駱丹氏は、将来的にはAIによる栽培指導、種の定期配送、ユーザーコミュニティーなどの付加価値サービスを提供し、ユーザーの定着率向上を図る考えだという。
次の一手として、専用アプリを開発し、AIアシスタントを導入する計画。専門的な小規模言語モデル(SLM)を使ってAIをトレーニングし、病虫害の識別・対策提案を行う。また、多様な室内空間に対応するため、卓上型とPLANT LOFTの小型版も近く発売する予定だ。
(翻訳・田村広子)
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