アリババとアント、香港本部新設でグローバル展開加速 オフィス物件取得に総額1400億円

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中国電子商取引(EC)最大手のアリババグループは10月17日、傘下の金融会社アントグループと共同で、香港・銅鑼湾にあるオフィスビル「港島一号中心(ワン・コーズウェイベイ)」の13フロアを取得し、両社の香港本部を設置すると発表した。投資額は9億2500万ドル(約1400億円)。

新たに設ける香港本部は両社のグローバル事業を統括し、越境ECやフィンテック、クラウドコンピューティング、グローバル決済ネットワークなどの事業連携に注力する。

アリババの蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)会長は「香港は国際金融と貿易の中心地であり、優れたビジネス環境と人材を備えている。当社のグローバル展開にとって理想的な拠点だ」とコメントした。

ここ数年、アリババとアントはグローバル戦略を加速している。アリババは越境EC事業を東南アジアや欧州市場に拡大。アントは複数の国で越境決済サービス「Alipay+」を展開しており、世界の加盟店はすでに数千万店を超えている。

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今回の香港本部設立は、アリババとアントが互いのリソースを統合し、国際競争力を高めるための布石とみられる。業界関係者は「香港が今後も世界のテクノロジーと金融の中心地として成長していくことに対する両社の信頼感の現れだ」と指摘する。

アリババは2014年にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したのに続き、19年に香港取引所で条件のゆるい「セカンダリー上場」を果たした。24年には「プライマリー上場」に格上げし、中国のテック企業としては初めて世界の二大株式市場への二重上場を実現した。

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*1ドル=約151円で計算しています。

(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)

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