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メタバースという世界的な科学技術競争の新たな舞台で、中国は堅実な産業基盤を背景に、独自の産業エコシステムの構築を進めている。山東省青島市にある「メタバース中間試験プラットフォーム」は、世界でも有数の規模を持つ仮想現実(VR)分野の実証試験施設の一つで、体系的な検証能力、独自のツールチェーン(プログラム群)の開発、標準化での主導的役割を通じ、中国がVR技術で優位性を確立するための重要な「加速装置」となっている。
施設には専門エンジニアが60人配置され、15万台の年間生産能力を持つ。これまでに10種類のプロトタイプを製造し、累計収入は930万元(約2億円)に上る。
青島メタバース中間試験施設、VR技術で中国の優位性後押しXxjjpbJ000173_20251107_CBPFN0A001894-scaled.jpg)
施設の責任者、国家仮想現実イノベーションセンター(青島)の厳小天主任は、施設は試作能力の提供だけでなく、整った検証システムも構築していると説明。研究開発チームはハードウェアの性能からソフトウェアの互換性、さらにはユーザー体験に至る設計上の欠陥を迅速に特定できることから、従来6~8カ月必要だった設計検証のサイクルは2~3カ月に短縮されたとし、このような「加速」効果が中国のVR企業の製品改良の効率を大きく向上させ、国際競争での優位性につながっていると強調した。
施設は検証効率の向上に加え、産業の「ボトルネック」克服にも力を入れている。ツールチェーンの自主的な管理と制御を実現するため、技術チームは学習コストの低いリアルタイム3Dインタラクティブコンテンツ開発ツールを開発。厳氏は、施設が独自の知的財産権に基づき、標準の策定からソフトウエア開発、コンテンツ制作、業務検証に至る一連のサービスを重点分野に提供し、国産ツールチェーンのエコシステム形成を着実に後押ししていると述べた。
青島のメタバース中間試験プラットフォームは、体系的なテスト能力を生かして完成機や主要部品の高信頼性データを生成し、リフレッシュレートや解像度、遅延などの重要パラメーターを検証している。これらは国家標準、さらには国際標準を策定する上での重要な根拠となっており、技術チームが参画したメタバース関連の12件の標準策定では1件が国際標準、6件が国家標準、5件が業界団体標準となっている。【新華社青島】
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