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中国自動車大手の浙江吉利控股集団(吉利汽車)は11月3日、仏ルノーとブラジル事業における戦略提携を締結し、ルノーのブラジル法人の株式26.4%を取得したと発表した。
吉利は、ブラジル南部のパラナ州にあるルノーの工場で自社ブランドの自動車を生産し、同工場の稼働率向上を上げると同時に、現地生産を実現することで関税障壁の回避にもつなげる。また、ルノーの販売網を活用し、販売・金融・アフターサービスネットワークを構築する。吉利の電動SUV「EX5」はすでに、ルノーの販売店を通じてブラジルで発売されている。
ブラジルは中南米最大の自動車市場で、同地域全体の4割を占めている。両社は2026年1~3月期に同一ラインで生産する最初のモデルを投入する。27年には生産能力を30万台に引き上げ、うち新エネルギー車(NEV)を5割以上とする計画だという。
吉利は堅調な販売実績を背景に、グローバル展開を強力に推し進めている。10月の乗用車販売台数は前年同月比35%増の30万7133台となり、初めて30万台の大台を突破、過去最高を更新した。1~10月の累計販売台数は前年同期比44%増の247万7000台、うち海外販売は23%増の4万1568台となった。うち33%をNEVが占めた。
比亜迪(BYD)や長城汽車(GWM)などの競合大手がブラジルに自社工場を建設しているのに対し、吉利はアセットライトモデルを採用し、低リスクで迅速に生産能力と販売網を獲得し、中南米市場でのNEV販売を加速する。このモデルは中国自動車メーカーがグローバル展開する際の新たな見本となる可能性がある。
(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)
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