外骨格スーツ「ハイパーシェル」、110億円調達 AIと低価格で挑む“日常使い”の壁

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外骨格型パワードシーツを開発するスタートアップ企業「極殻科技(Hypershell)」(以下、ハイパーシェル)が、プレシリーズBとシリーズBで総額7000万ドル(約110億円)の資金調達を実施した。Monolithや五源資本(5Y Capital)、光合創投(Luminous Ventures)美団龍珠(Meituan Dragon Ball)などが出資に参加した。

ハイパーシェルは、若手起業家の孫寛氏が2021年に創業した。深圳市と上海市に拠点を置き、約200人の体制で「人間の行動力を高める技術」の開発を進めている。

従来の外骨格型パワードシーツは、価格が数十万~数百万円と高価で、企業向けや一部の医療用途に限られていた。ハイパーシェルは2023年に世界初となるシングルモーター駆動の外骨格システムを開発し、「Omega」フレームを発表した。その画期的な構造によってコストと製品重量が従来品の半分になった。さらに最新のロボット技術や自社開発の中核部品を組み合わせることで、最終価格を一般消費者にも手の届く数万円程度にまで引き下げた。

同年3月に、コンシューマ向けとしては初の外骨格スーツ「Hypershell Go」をクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で発表したところ、2638人の支援者から123万ドル(約2億円)が集まり、その年の注目プロジェクトとなった。

クラウドファンディングで実績を作った後、2024年初めにはアウトドア用の「Hypershell X」シリーズを投入。独自のAIシステムにより、歩行やランニング、登山、自転車走行など9つの異なる活動シーンを認識し、動作モードを自動で切り替えられるようになった。

2025年9月に発表された最新型「Hypershell X Ultra」は、運動意図を認識する第2世代AIアルゴリズムを搭載し、動力システムとの連携を最適化することで、同じバッテリー容量で駆動時間を従来の2.5倍に延ばした。欧州最大の家電見本市「国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA)」で大きな話題を集めたほか、外骨格型アシストスーツとしては世界で初めて国際的な認証機関SGSの認証を取得した。

ちなみに、市場展開に関しては、ドローン世界最大手DJI(大疆創新)や3DプリンターのBanbu Lab(拓竹科技)といった深圳発の有名企業と同様、「海外先行型」の戦略を採用している。現在、世界70カ国以上に販売網を広げ、累計出荷台数は数万台に達した。中国国内市場へは、海外での実績を背景に2025年8月に本格参入した。

コンシューマ向け外骨格パワードシーツ市場は拡大傾向にあり、医療向けから消費者向けへと事業を拡大した中国の程天科技(RoboCT)や、アウトドアブランドARC’TERYXと提携している米スタートアップSkip、韓国WIRoboticsなど競合も増えている。

孫氏は、市場で勝ち残るためには「操作性の向上や軽量化に加え、サプライチェーン管理によるコスト競争力が不可欠」と指摘する。同社は技術や製品化、ユーザーインサイトの把握、量産、マーケティングなど、あらゆる面で能力の底上げを進めている。さらに、アシストスーツの「小脳」にあたるモーションエンジンと、それを支えるAIスキルも重要な競争力になっているという。

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プレシリーズBで出資したMonolithの創業パートナー曹曦氏は、「AIロボットの進化に伴ってア外骨格シーツ業界が転換点を迎えている。新たな形態の商品が続々と生まれるなかで、アウトドアや高齢者の歩行支援、通勤といった日常的なシーンでも普及が加速する」と分析している。

*1ドル=約156円、1元=約22円で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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