リサイクル資源の「純度」で勝負、AIごみ選別装置の九爪智能が地方政府などに売り込み

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中国で脱炭素化(カーボンニュートラル)やごみ分別の義務化が進むなか、再生資源業界は「粗放な処理」から「高精度かつ大規模なリサイクル」へのモデル転換期を迎えている。その鍵を握るのが「選別」工程だが、長らく人件費の増大と低効率が業界のボトルネックとなってきた。

こうした課題を人工知能(AI)による自動化で解消しようとするのが、スマート選別ソリューションを展開する「九爪智能(Justra Technology、広東省広州市)」だ。同社はこのほど、プレシリーズAで白雲金控(Baiyun Financial Holding)と白雲建科から数千万元(数億円)を調達した。資金は、アルゴリズムと選別装置の改良や製品の量産体制の構築に充てられる。

AI主導でリサイクル資源の価値を最大化

2021年設立の九爪智能は、都市ごみと再生資源の選別自動化に特化している。創業者の李希卓氏は、「選別は単なる仕分けではなく、価値を創出するプロセス。リサイクル資源の純度を高めることが、そのまま商業価値の向上に直結する」と強調する。

同社は、業界で主流となりつつあるハイパースペクトルや近赤外線の検出技術をベースに、AIビジョンと連動するAI複合センサーシステムを独自に開発した。汚れの付着や多種多様な素材の混在がセンサー精度を狂わせるごみ処理の現場において、同社システムは以下の3点で優位性を持つ。

複合検知:ビジョンセンサーによる形状識別と、分子レベルの成分分析を組み合わせることで、対象物の汚れや色に左右されない高精度な識別を実現する。

自律学習:現場稼働で得られる膨大なデータをAIが自動取得。学習と改良を繰り返すことで、稼働時間に比例して選別精度が向上する。

高耐久設計: 過酷な工場環境下でも安定稼働を維持できるよう、センサー構造に独自の堅牢設計を採用している。

こうして同社は、実データとアルゴリズムを結びつけることで、他社が容易に真似できない技術的な優位性を確立した。

装置販売から「総合ソリューション」への転換

九爪智能は単なる装置メーカーにとどまらず、リサイクル全体の最適化を担う「ソリューションプロバイダー」への進化を目指している。ターゲットは主に3つの層だ。

地方政府:地域の資源回収の中核となる「スマート選別センター」を共同建設。

環境・リサイクル企業: 既存工場の自動化アップデートや新工場の設計・建設を支援。

再生資源メーカー: 人件費の削減に加え、高純度・高品質な再生原料の安定供給をする。

同社はすでに廃プラスチック、家庭ごみ、建設・産業廃棄物の選別技術を確立している。今後の課題は、地域ごとに異なる廃棄物構成や既存リサイクルシステムへの適合だ。李氏は「ソリューションの標準化をさらに進め、さまざまな都市で迅速に展開できる体制を整える」と、大規模供給に向けた意気込みを語る。

*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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