「室温で動く量子コンピュータ」中科酷原、約22億円調達 27年にも海外出荷へ

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量子計算技術を手がける中国スタートアップ「中科酷原(CAS Cold Atom)」がこのほど、中国移動(チャイナモバイル)傘下の鏈長基金から約1億元(約22億円)を調達した。資金は主に、量子計算装置の開発加速、新製品開発、活用分野の開拓に充てられる。

目下、量子計算や量子精密測量、量子通信などの先進技術が、電力や金融、医療などの分野で重要な役割を果たすようになっており、大国間のテクノロジー競争やイノベーション戦略の焦点となっている。「量子技術元年」と呼ばれた2025年、中国は「第15次5カ年計画」で定めた6つの未来産業の筆頭に量子テクノロジーを挙げた。

2020年に中国科学院出身者らによって設立された同社は、中国で最も早い時期に中性原子量子計算技術の研究に着手した。拠点を置く湖北省武漢市は、光電子情報産業が集積し、政策支援も厚いことから、中国の量子テクノロジー産業の中心地になりつつある。

2024年には、中国初となる100量子ビットの中性原子量子コンピュータ「漢原1号」を発表。最大の特徴は、巨大な希釈冷凍機を必要とせず、通常の室内環境で稼働できる点にある。

創業者の湯彪会長は、中性原子量子計算の優位性としてビット数の拡張性を挙げ、「ビット数を非常に大きくすると同時に、モジュール化設計や組み立て、統合を進めることができる」と述べた。その上で、「レーザーで原子を直接冷却する手法のため、接触式の冷却が不要。エネルギー効率が高く、システムをキャビネット型に小型化できる」と説明する。この導入の容易さが、産業化における大きなアドバンテージとなっている。

複数の量子計算技術が並行して発展する現在、中性原子量子計算は拡張性、システム統合の面で総合的な優位性があるため、研究開発と産業化が世界で最も急速に進む技術路線となっている。

同社は現在、1000ビット量子コンピュータの実現に向け、技術開発に取り組んでいる。また、原子量子計算向けクラウドプラットフォームの整備も完了している。ユーザーはクラウドプラットフォームから漢原1号にアクセスし、計算タスクを与えて実機上で実行させ、計算結果を直接受け取ることができる。

漢原1号は世界でも稀な量産・出荷が可能なモデルであり、国内外を合わせた受注額はすでに4000万元(約9億円)を突破。2027年には海外への本格出荷を開始する計画だ。また、性能を一段と高めた次世代機「漢原2号」の投入も控えている。

研究機関・光子盒研究院によると、量子テクノロジーの2024年の市場規模は世界で80億ドル(約1兆2000億円)に上り、その25%近くを中国が占めていた。今後は爆発的な拡大が見込まれており、35年には世界で9000億ドル(約140兆円)を突破し、うち中国が2600億ドル(約40兆円)と30%近くを占める見通しだという。

*1元=約22円、1ドル=154円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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