中国・HONOR、ロボットフォン年内発売へ カメラジンバルが動き・うなずき・踊る

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中国のスマートフォン大手・HONOR(栄耀)は3月1日(日)、MWC 2026の開幕前日にバルセロナで独自の発表会を開催し、「Honor Robot Phone(ロボット・フォン)」と「Honor Robot(人型ロボット)」の2製品を公開した。

Robot Phoneは、2025年のコンセプトモデル発表から実機開発フェーズへと移行した。今回、2026年後半に中国市場で発売されることが初めて公式に確認された。主要スペックの多くは依然として未発表で、価格水準なども公表されていない。中国以外の海外展開についても現時点では未定だ。

一方の人型ロボットについては、技術仕様や価格、発売時期などの詳細は一切明かされておらず、現段階ではデモンストレーション用の試作機という位置づけにとどまっている。

Robot Phone:4自由度ジンバルと2億画素カメラ

Robot Phoneの最大の特徴は、スマートフォン背面に内蔵された可動式カメラモジュールだ。使用しないときは本体に収納され、使用時にポップアウトする仕組み。

核心となるのは、撮影時の手ブレを物理的に抑え、水平を保つジンバルシステムだ。HONORは独自開発の超小型マイクロモーターを採用した、4自由度(4DoF)のジンバル機構を搭載した。

スマートフォン内部の極めて限られたスペース(厚さ約7mm)にこの機構を収めるため、同社は折りたたみスマホのヒンジ部分で培った高強度素材「SuperSphere」やチタン合金を転用。これにより、既存の主流マイクロモーターと比較して、サイズを70%削減することに成功したという。発表会でジェームズ・リー(李健)最高経営責任者(CEO)は1ユーロコインと並べてモーターを提示し、「業界最大手の金型メーカーに相談したところ不可能と言われた」と開発の経緯を説明した。

メインカメラは2億画素のセンサーを採用。ジンバルは3軸で安定化を行い、AI被写体追跡(AI Object Tracking)、超安定動画(Super Steady Video)、90度・180度の回転撮影(AI SpinShot)などに対応している。映像制作分野ではドイツの撮影機器メーカーARRI(アーノルド&リヒター)との提携も発表され、Robot Phoneに活用されるという。

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ジンバルはカメラとしての機能にとどまらず、インタラクションインターフェースとしても機能する。左から話しかけると左を向く、質問にうなずいて「Yes」・首を振って「No」で答える、音楽のリズムに合わせて動く、といった動作がデモで披露された。HONORはこれを「Embodied AI(身体性AI)」と位置づけている。

発表後の展示には報道陣らがRobot Phoneに殺到し、スタッフが「30〜50cmの距離で手のひらをかざし、後ろに傾けるとジンバルが立ち上がる」とジェスチャーから操作を開始。

記者が「今日のコーディネートはどう?」「お腹は空いている?」などと次々話しかける光景が続いた。ジンバルがうなずいたり首を振ったりするたびに周囲から笑い声が上がり、撮影のために人が殺到する状態になった。

Honor Robot:バク転を披露、仕様は非公開

同日に発表された同社初の人型ロボット「Honor Robot」は、ステージ上でバク転を1回転きれいに決め、その後ダンスパフォーマンスを披露した。ジェームズ・リーCEOと握手する場面も演出されたが、ロボット自身は発話しなかった。代わりにRobot Phoneがロボットの「声」として会場に語りかける形をとった。

HONORが想定するユースケースは、ショッピングアシスタント・工場や施設の点検業務・家庭でのコンパニオンの3つ。スマートフォン事業で蓄積したパーソナルAIと連携させ、「初日からユーザーを知っているロボット」を目指すとしている。ただし、モーターや関節の仕様、センサー構成、価格、発売時期はいずれも明らかにしていない。

量産化、耐久性が課題に

Robot Phoneについては、量産品での耐久性などは不透明だ。細かな動作をする機構を安定させる必要がある。
Honor Robotはさらに不確定要素が多く、今回の発表は「デモ段階」に過ぎないと言える。本格的な製品発表というよりは方向性の表明に近い。競合する中国の中国のロボットメーカー「Unitree(宇樹機器人)」などとの技術的な比較も現時点では困難だ。

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(36Kr Japan編集部)

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