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中国の家電・スマートフォン大手・シャオミ(小米)の日本法人である小米技術日本(シャオミ・ジャパン)は2月20日、関西エリアへの「Xiaomi Store」初出店と「Xiaomi Service Center 秋葉原店」の開設を同日に発表した。製品を「売る場」を拡大し「修理する場」を同時に拡充するこの動きは、シャオミが日本市場で次の段階に踏み込んだことを意味する。
シャオミが日本でリアル店舗を展開し始めたのは2025年3月だ。埼玉・さいたま市のイオンモール浦和美園店を皮切りに、約1年で首都圏に計5店舗を構えてきた。
次の一手が、関西への集中出店だ。3月7日の「Xiaomi Store イオンモール鶴見緑地店」(大阪)をはじめ、3月14日「イオンモール伊丹店」(兵庫県伊丹市)、3月28日「イオンモール堺鉄砲町店」(大阪府堺市)、4月4日「ららぽーと甲子園店」(兵庫県西宮市)と、1カ月余りで4店舗を一気にオープンさせる。
注目は「ららぽーと甲子園店」だ。三井不動産の商業施設への初出店となり、イオン系列以外のディベロッパーとの協業を拡大し、次の布石として読み取れる。
各店舗は200製品以上を展示・販売する体験型常設店舗として設計した。スマートフォンに加え、家電やウェアラブル製品、タブレットといったシャオミの目玉製品を一度に試すことができる。シャオミ・ジャパンの呂暁露社長はインタビューで「今後も人口の多い大都市から出店していく。体験が広がる」と述べ、リアル拠点拡大の意義を強調した。

「修理」拠点を秋葉原に
関西出店と並び戦略上の柱となるのが、2月28日オープンの「Xiaomi Service Center 秋葉原店」だ。スマートフォンからウェアラブル端末を対象とした、日本初の修理専門拠点で、研修を受けたスタッフが常駐し、迅速かつ高品質なサポートを対面で提供する。これまで大手通信会社であるキャリア経由で販売した端末は、各キャリアの店舗で対応してきた。だが、自社のオンライン販売や、直営店舗展開を加速する中で、自前の修理拠点を確保することとした。
1階には製品の展示・販売スペースを設け、修理に訪れたユーザーが自然と最新製品に触れられる動線を設計している。地下フロアには、スマートホームブランド「Mijia(米家)」の製品が連携した「スマートなくらし」を体感できるショールームを併設する。
修理という課題解決の接点を通じてユーザーとつながり、同時にエコシステム全体の魅力を提示するこの複合型設計には、「困ったときに頼れるブランド」という信頼を積み上げ、次の購入へのきっかけを作るという明確な狙いがある。立地として秋葉原を選び、ガジェット・家電に関心の高いユーザーが多く集まるこのエリアは、エコシステム訴求の場として位置付ける。

リアル店舗で信頼目指す
シャオミが日本で直面してきた課題は、「安いが信頼できるのか」という問いだった。。2019年12月の参入以来、SIMフリー市場での展開を足がかりに、2020年からはキャリア市場にも進出。おサイフケータイの搭載など日本市場向けの対策を強化してきた。
しかし、ブランドへの信頼は製品のコスパやスペックの高さだけで築けるものではない。「購入後に何かあっても安心できる」という体験の積み重ねが、長期的なユーザーとの関係を作る。リアル店舗やサービス拠点の整備は、その基盤づくりの一環といえる。呂社長は「顧客がどこにいるかを見極め、そこに私たちの店舗や販売チャネルを開拓していくことが大前提だ。加えて、体験が広がり、専門トレーニングを受けた店員が製品を詳しく紹介できる環境を整える」と語った。
体験型店舗とサービスセンターを併設する体制は、エコシステム戦略の加速にもつながる。複数のシャオミ製品を組み合わせて使うユーザーが増えるほど、他社への乗り換えのハードルが上がる。こうした囲い込み戦略は、米Appleや米Googleが固定客を囲い込んだ手法と変わらない。
日本へのEV投入

シャオミの月間アクティブユーザー数、2025年9月時点で約7億4170万人に達し、IoTプラットフォームには10億台超のスマートデバイスが接続されている。電気自動車(EV)事業にも本格参入するなど、もはやスマートフォンメーカーという枠を超えた存在となった。2027年にも欧州から自動車市場に参入する方向性を示している。その中で、日本市場の位置づけは小さくない。呂社長は「日本は特に重要な市場だが、法的規制や現地市場への対応について慎重に検討する必要がある」と述べた。
巨大なエコシステムを擁する同社にとって、日本はまだ開拓途上にある次に狙う市場だ。しかし、シャオミが日本を「リスクを取ってでも、真剣に取り組む市場」として位置づけていることは明らかだ。関西への出店拡大と修理拠点の設立を同時に打ち出した動きは、意志の強さを物語っている。
(36Kr Japan編集部)
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