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度重なる赤字により厳しい視線を浴びてきたテスラCEOのイーロン・マスク氏だが、中国市場においては資金問題がひとまず落ち着いたようだ。
ロイター社は昨年12月下旬、テスラがすでに中国の複数銀行との間で約100億元(約1500億円)の期間5年の融資に関する合意に達したと報じた。提携先は、中国建設銀行、中国農業銀行、中国工商銀行および上海浦東発展銀行。
報道によれば、新たな融資資金の一部は35億元(約530億円)に上る債務の返済に充てられ、残りはテスラが上海に建設した新工場「ギガファクトリー」および中国業務の展開に充てられる。
昨年1月、上海でテスラのギガファクトリーが着工した際にマスク氏は、建設に約20億ドル(約2200億円)を要するが、資金は中国本土からの銀行融資や地方債務により調達し、株式売却は必要ないと述べている。現時点での融資額によると、マスク氏はすでにこの目標を大きく達成したことになる。
上海ギガファクトリーの着工以降、中国の銀行はすでにテスラに対して3度の融資を行っている。同社は昨年3月に中国の複数銀行との契約を締結し、12カ月以内に35億元(約530億円)の融資を受けると発表した。また10月には米証券取引委員会(SEC)のウェブサイトで、招商銀行との間で50億元(約750億円)の12カ月無担保融資を受けると明らかにした。
今回の100億元の融資と合わせると、テスラが現在中国で公開済みの調達額は185億元(約2800億円)に上り、マスク氏が以前に予想していた上海工場の建設コストを大幅に上回っている。
アナリストは36Kr系列のメディア「未来記者日報」に対し、上海のギガファクトリーの建設はすでに完了し、モデル3の生産も開始していると述べている。またテスラの中国市場の建設に関する初期投資はほぼ終わっており、今後は主に人材育成やモデル3の生産・販売に資金を投じていくと指摘している。テスラの中国公式WeChatリクルートプラットフォームによれば、同社は上海、北京、大連、深圳など複数の一~二級都市で人材募集を開始している。
資金面でのバックアップに加え、テスラ自身の収益モデルも日増しにクリアになりつつある。同社の第3四半期の売上高は63億300万ドル(約6800億円)で、市場予測を上回る1億4300万ドル(約160億円)の黒字を実現したほか、粗利率は第2四半期の18.9%から22.8%に上昇した。さらに上海工場のモデル3の生産コストは、米国比で65%も低いという。
中国産のモデル3は昨年12月に工業情報化部の「新エネルギー車普及活用推薦車種目録」に選出され、2万4750元(約37万円)の新エネルギー車補助金を受けることになった。中国市場において補助金、融資、低コストという条件をそろえたマスク氏は、もはや資金面での心配をする必要はなくなった。
作者:未来汽車日報 牛暁通
原文記事:https://auto-time.36kr.com/p/505980345417735
(翻訳・神部明果)
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