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米国テクノロジーメディア「The Verge」の報道によると、スマート家電製品の問題点は「コネクティビティ」にあるという。現状を例えていうならば、蛇口メーカーと水道管メーカーが全く連携しておらず、各種部品の接続部分の規格がばらばらで、温水、水、汚水をそれぞれどのように流すのかについて合意がない状況のようなものだ。同様に、IoTの接続規格も種類が多すぎるというのが現状である。規格を統一するための試みは、より多くの規格を作り出しただけになってしまっている。
しかし、もし数億人のユーザーを持つIT大手が規格を統一すれば、状況が変わるかもしれない。
昨年12月20日に、中国のIT大手騰訊(テンセント)がSNSアプリ「WeChat」のミニプログラム「騰訊連連」をローンチした。同ミニプログラムを使えば、異なるメーカーが製造したIPアドレスが異なるハードウェアを操作することが可能となる。そうなると、データのコネクティビティや製品同士の連動が実現できる。
テンセントクラウドのAIプラットフォームとIoT製品を担当するGM張文傑氏によると、同ミニプログラムは、消費者向けIoTと産業用IoTの架け橋になるものとして位置づけられているという。2014年からIoTが台頭しはじめ、大量のデバイスがインターネットに接続しているが、アクティブなデバイスの数は伸び悩んでいる。その要因の一つは、ユーザー体験が良くないことにある。テンセントは消費者向けサービスにおけるトラフィックとノウハウがあるため、IoTとWeChatのミニプログラムとの融合に期待している。
また、テンセントは、企業側にも同ミニプログラムを使ってプログラムの二次開発を行う権限を与える予定だという。テンセント自社のコンテンツエコシステムによって、WeChat Pay、企業版WeChat、QQ、QQfamily等との連動も可能で、クライアント企業の商品の価値を向上させることができる。
今回のミニプログラムの開発をサポートしたのはIoT explorerのプラットフォームである。テンセントのチームは、中小企業のクライアントは開発能力が高くないことに着目した。そこでテンセントのリソースをIoT explorerに集約させ、IoT explorerを使えば3~5日で新しいサービスのローンチが可能となるようにした。また、大手開発者が関心を持っているデータのコネクティビティの問題についても、テンセントクラウドがニュートラルなプラットフォーム提供者となることで解決可能だという。
テンセントクラウド IoTエコシステムサミットでは、テンセントクラウドが三大IoTのOSを発表した。その中では、TencentOSはデバイス側へのサービス提供、TencentOS Edgeはエッジへのサービス提供、TencentOS Serverがパイプラインとクラウド側へのサービス提供を行う。この3つのOSにより、テンセントクラウドはIoTの全工程における端末ソフトウェアエコシステムを構築している。
テンセントクラウドのIoTプラットフォームはどれぐらいのパートナーを引き寄せられるのか。また、アリババや「小米(シャオミ)」のIoTエコシステムとの差を突破できるのか。張GMによると、テンセントクラウドIoTはオープンな態度で協力関係を求めたいと考えているが、競合相手がそれに乗る可能性は低いという。現時点でテンセントが発表した提携先はすべて電化製品メーカーだ。
中国では、クラウドプラットフォームがIoT分野へ進出する例が多々あるが、テンセントクラウドにとってのIoTの価値は何だろうか。張GMは、より多くの企業がテンセントのサービスを利用しIoTサービスを提供する場合、必然的にテンセントクラウドのユーザーにもなり、最終的にはテンセントの他のサービスも利用する可能性が高い。また、企業により良いサービスを提供し、今後のより付加価値の高いサービスの提供にも繋がるという。
トップ画像はテンセントクラウドIoTより
(翻訳:小六)
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