1時間1200個、夜通し働く 中国のヒューマノイド、物流現場でベテラン作業員に迫った

米ヒューマノイド企業「Figure AI」が2026年5月、200時間におよぶライブ配信を行った。同社のロボットが物流センターで黙々と荷物を仕分ける様子は数百万人もの視聴者を引き付け、評価額390億ドル(約6兆3600億円)というユニコーンの実力を印象づけた。

ただし、扱われた荷物は段ボール箱2種類と軽包装の計3種類だけだった。作業場はきれいに整頓され、荷物が山積みになることもなかった。

1万キロ離れた北京市では、中国の人型ロボット企業「星動紀元(ROBOTERA)」の共同創業者・席悦氏がこの配信を注視していた。席氏は「わが社はFigure AIよりも早くから物流現場に実機を投入しており、より難度の高いタスクを、より高いレベルで処理している」とした。ただ、Figure AIのロボットは1台が最長81時間連続で稼働したが、星動紀元のロボットはまだそこまで到達してはいないという。

星動紀元は7月6日、新たに10億元(約240億円)を調達した。今年の調達額は総額50億元(約1200億円)近くにのぼり、3月の調達後に評価額は100億元(約2400億円)を超えた。同社がロボット活用の場として物流現場の仕分け作業を選んだのは、「技術的なハードルが高く、大きな価値を生み出せるほか、迅速に横展開して大規模化が見込めるため」だ。

中国ヒューマノイド「ROBOTERA」、2カ月で約600億円調達 国有資本が相次いで参入

同社の人型ロボットはすでに、中国郵政(China Post)や宅配大手の順豊控股(SFホールディング)など10カ所以上の物流センターで稼働している。導入台数は、今年初めの十数台から5月末には100台を超え、年内に1000台規模に増加すると見込まれている。作業効率は人間の作業員の90%に達しており、1時間に荷物1000個以上の仕分けが可能だ。

中国郵政、ヒューマノイドで荷物仕分け 1時間1200件を処理

半年かかった導入が、3日になった

それでも実際に物流センターで作業できるようにするのは、想像するよりはるかに難しいことだった。

星動紀元は2025年11月、広東省深圳市竜崗区の物流拠点で概念実証(PoC)を始めた。ロボットは研究室で1時間に600個の荷物をさばくことができていたが、実際の現場ではわずか100個程度しか処理できなかった。

クライアントは一時期、人型ロボットが本当に物流現場で稼働できるのか疑問視し、厳しい指摘を繰り返してプレッシャーをかけてきた。それでも星動紀元のチームは、半年間に数十件に及ぶ大小さまざまな課題をクリアし、最終的にプロダクト・マーケット・フィット(PMF、顧客が満足する商品を適切な市場で提供できている状態)を達成して、大規模展開するフェーズに進んだという。

(中略)

2026年3月に1時間あたり荷物900個まで向上し、5月末には深圳市の物流拠点で1時間あたり1200個を安定して処理できるようになり、ベテラン作業員の効率に迫るほどとなった。現在は、新たな現場への導入は2時間のデータ収集を含めわずか3日で完了し、これまでのように半年を費やす必要はなくなった。

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(36Kr Japan編集部)

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