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米国禁輸リストに縛られたファーウェイ(華為科技)は、海外市場でGoogle系サービス(GMS)が使えなくなったため、昨年から独自サービス「HMS(Huawei Mobile Services、ファーウェイモバイルサービス)」を開始した。
同社コンシューマー事業部CEOを務める余承東(リチャード・ユー)氏は、2020年の年頭挨拶で、「今年ファーウェイの携帯電話事業をより良くするために、もっとも重要なのはHMSと『Harmony OS(鴻蒙OS)』によるエコシステムを構築することだ。生き残ることを最低条件に、海外でのアプリケーションエコシステム問題を優先的に解決する。海外でのクラウドサービスはエコシステムとUX(ユーザーエクスペリエンス)を核とし、短期的な利益を求めず、数年をかけて段階的に海外事業のボリュームを回復させていく」と述べた。
HMSには、HMS AppsとHMS Core、HMS Capabilities、HMS Connectおよび開発とテスト用のIDEツールが含まれている。その中で、HMS Appsでは、Huawei Smart Assistant、Huawei App Market、Huawei Wallet、Huawei Video、Huawei Musicを提供している。HMS Coreは、Account kit、Game Services、Map Kitなど、コアサービス機能を提供している。HMS Capability機能により、高性能なファーウェイ独自プロセッサHUAWEI Kirinチップ、スマートフォンに搭載されているスーパーナイトシーンモード、GPU Turboなど、ファーウェイの最先端のハードウェアテクノロジーを十分に活用・能力を引き出すことができ、ユーザーにより良いエクスペリエンスを提供することが可能である。また、HMS Connectは、開発、テスト、リリース、運営などトータルなサービスを提供する。
1月16日、ファーウェイはHMS Core 4.0をリリースした。新バージョンでは、上記コア機能に加えて、機械学習サービス、コンテキスト認識サービス、統合コードスキャンサービス、短距離通信サービス、セキュリティサービス、動画タグ管理サービス、オンライン身分認証サービス、位置情報サービス、高速アプリケーションサービス、デジタル著作権管理サービス、ヘルス・スポーツサービスなどが追加された。これらのサービスにより、開発者には効率よくかつ低コストの開発に対するサポートを提供していくとのこと。
HMSエコシステムの確立は、ファーウェイが海外市場を取り戻すための重要な道筋の一つだ。禁輸措置がいつまで続くか明らかにされていない中、GMSの検索、Gmail、地図、YouTube、Play Storeなどのサービスは海外で最も使われている機能であるため、ファーウェイにはそれを代替できる独自のシステムの構築が急務となっている。
ファーウェイが公開したデータによると、現在世界中で130万人以上の開発者が登録されており、HMS Coreに接続するアプリケーションは5万5000個を超えている。ただ、ヨーロッパなど既にGoogleのサービスに大きく依存しているエリアが多く、HMSエコシステムで市場を打開するのは決して容易なことではない。
(翻訳・Ai)
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