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英公共放送BBCは昨年12月、世界初の全電動商用機がカナダのバンクーバーから飛び立ち、約15分間にわたる試験飛行を成功させたと報じた。
報道によると、この電動航空機は水上飛行機を改造したもので、試験飛行ではカナダの航空会社「ハーバー・エア(Harbour Air)」創業者兼CEOのグレッグ・マクドゥガル(Greg McDougall)氏が操縦した。機体には、航空機用電動モーターを手掛ける米「マグニクス(MagniX)」が開発した750馬力の電動推進システムを搭載している。このシステムは米NASAが承認し、国際宇宙ステーション(ISS)に採用されているリチウムイオン電池を使い、約160キロメートルの継続飛行が可能だという。
マクドゥガル氏はテスト飛行後に「われわれの目標は全機体の完全電動化を実現すること。これをやらない理由はない。従来の化石燃料エンジンと比べ、電動モーターはメンテナンスコストが低く、数百万ドル(数億円)のコストを削減できる」と述べた。
同社は現在、バンクーバーと米シアトルで42機の水上飛行機を運航しており、所有する全ての機材を電動式に切り替えることを目標としている。これが実現すれば、世界初の全電動航空会社となる。
マグニクスCEOのローイ・ガンザルスキー(Roei Ganzarski)氏によると、電動航空機の課題はバッテリーへの給電だという。今回のテスト飛行に使った機材は、リチウムイオン電池で100マイル(約160キロメートル)程度しか飛行できない。しかし、短距離路線をメーンとして運航する同社にとっては十分な距離だ。同氏は「航続距離はまだ思うようにいかないが、革命を起こすという点では十分に意味がある」と語った。
航空業界は電動化が進む。2018年には、英スタートアップのフライトシュミレーター会社「バーチャルエアロスペース(Vertical Aerospace)」が開発した自家用電動ヘリコプターが、英グロスターシャー(Gloucestershire)のコッツウォルド(Cotswolds)空港で初めて飛行試験を行い、これまでに複数回成功している。
現在、電動航空機は市場からの期待が大きく、多くの企業がエアタクシー構想を掲げている。航空機メーカーの米ボーイング、欧エアバス、エレクトロニクス大手の独シーメンス、小型電動航空機を開発する独スタートアップ「リリウム(Lilium)」、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズなど、その数は20社を超える。
このほか、米電気自動車メーカー大手テスラのイーロン・マスクCEOも5年以内に電動航空機をリリースする可能性があるとツイッターで表明している。マスク氏は、エネルギー密度の面では今のところ、リチウムイオン電池より航空燃料の方が優れているものの、電動モーターは軽い上、蓄えたエネルギーを運動エネルギーに変換する効率がガソリンなどの内燃エンジンよりもはるかに優れているとの見方を示している。
作者:未来汽車日報(WeChat ID:auto-time)、李梓楠
(翻訳:貴美華)
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