AirbnbやTrip.comも投資の「スウィートーム」 同業他社を買収 都市型民泊事業を強化

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「斯維登集団(SWEETOME Svidon Group、スウィートーム)」は昨年12月上旬、「有家美宿(iYOUJIA)」と「城宿(CITYHOME)」の完全買収を宣言した。またスウィートームは同時にAirbnbの出資を受けたほか、「58同城(58.com)」も戦略的投資を行った。今回の買収により、スウィートームの都市型民宿事業は拡充され、民宿供給分野で最大の非標準型宿泊チェーンとなった。

買収された有家美宿(旧・有家民宿)は、短期賃貸事業を手がける「螞蟻短租」から2018年に誕生したプラットフォームだ。過去には中国OTA最大手「携程集団(Trip.com Group)」や民泊大手「途家(tujia)」の戦略投資も受けており、携程系列の主力民宿ブランドとされていた。有家美宿は、オーナーまたは民宿出資者が遊休不動産を提供し、有家美宿が一括運営する事業モデルを採用しており、2018年末には物件数が数千軒に達し、20数都市の一~二級都市をカバーするまでに成長した。

もう一方の城宿は2017年に設立され、、受託管理モデルで民宿物件の運営に切り込んだ企業だ。国内の一~二級都市の住宅エリアを選び、不動産業者を通じて物件情報を入手した上で、内装デザイン、プラットフォーム運営、保守・クリーニングなどのワンストップ型サービスをオーナーに提供していた。2018年7月には、シリーズAでAirbnbから500万ドル(約5億5000万円)の出資を受けている。

途家の昨年上半期の発展リポートによれば、北京・上海・広州をはじめとする一級・新一級都市の民宿市場は依然として活況を呈している。取引規模は小幅増となっており、予約件数と客室数もトップレベルにある。業界各社が、短期賃貸市場における一級都市の市場シェア獲得にしのぎを削っている状況だ。

民宿市場の前途は明るいが、2018年末以降、長期的な赤字やアセットヘビー型の運営などにより、都市型民宿チェーンブランドの成長の勢いには陰りが見え始め、長期的な成長に向けた戦略転換を迫られている。こうした背景のもと、有家美宿および城宿は統合を通じた今後の成長の可能性を探るようになっていた。

スウィートームはこれまで、観光地や都市郊外に集中する高級マンションや別荘などの物件を主に扱ってきた。これまで手掛けていなかった都市型民宿分野の物件は分散しているため、短期的な業務統合には困難が伴った。今回の買収の結果、都市型民宿分野における斯維登の弱点がカバーされたほか、優良企業を統合することで都市型物件のラインアップも拡充され、民泊事業が「斯維登城市公寓(マンションタイプの物件)」と共に都市部を中心とした主力事業となる見通しだ。

今回の買収により、城宿と有家美宿の保有物件は全てスウィートームの自社運営物件となった。スウィートームはミドルエンド・バックエンド機能を通じて両社のシステムに接続し、運営管理システムにおいても統合・連携が図られることになる。今回の買収は、三社がそれぞれの強みを生かしつつ、弱点を補完したいという意向で合意した結果といえる。

今回の買収では、3社間の統合という範囲を超え、これにより民宿分野の勢力図が塗り替えられたという点に注目したい。

同社による城宿の買収後、Airbnbはその大株主となっており、優良物件に関するコントロールをより強化することで、自社プラットフォームの客室供給量を保証していく。今後、斯維登の物件はシステム連携によりAirbnb上に表示されるようになり、大量のトラフィックが集まるAirbnbの恩恵を受けられるようになる。

これまでスウィートームの株式所有構造のうち33%を携程が占めていたが、Airbnbの株式所有と58同城の再出資により、携程、Airbnb、58同城の3社が斯維登の三大株主となった。そのうち、58同城は以前に螞蟻短租や途家にも出資しており、民宿業界で大きな一端を担う存在となっている。

このほか、58集団の戦略投資以降、58同城の二大プラットフォームである58同城および「安居客(Anjuke)」の短期賃貸ページはスウィートームが運営することになる。

今回の買収のメリットを最大限に享受したのは、複数のポータルを獲得したスウィートームだろう。今後は高級マンション、別荘、都市型民宿という3種の安定した事業を抱え、「長期+中期+短期賃貸」を組み合わせた物件運営で利益の最大化を図っていく。買収後のスウィートームの物件数は6万件を超えているが、事業拡大の歩みはとどまることを知らない。同社は国内外の短期賃貸プラットフォームや民宿チェーンブランドとの間で多角的な提携関係の構築を進めており、今後のさらなる進展にも期待したい。

(翻訳・神部明果)

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