モバイルインターネットからAIまで 2010年代のテックトレンドの変化を振り返る

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この10年間、スマートフォンやインターネットが普及したことで、ほとんどの人が四六時中ネット環境に身を置くようになった。2020年という新たな節目に、過去10年間の変遷と功績を振り返り、そこから教訓を引き出してみたい。

モバイルインターネット時代の到来

2010年代はモバイルインターネットの時代だった。フードデリバリー「美団(Meituan)」、TikTokの運営会社「バイトダンス(字節跳動)」、ライドシェア大手「滴滴(Didi)」、ソーシャルEC「拼多多(Pinduoduo)」はいずれもこの時期に設立され、今や時価総額が数百億ドル(数兆円)の巨大企業に成長した。

事実、モバイルインターネット時代に入ってから消費やエンタメ産業は大きな変化を遂げた。美団や「餓了麽(Ele.me)」などのプラットフォームが誕生しフードデリバリーが一大産業に成長したほか、「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)や「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」などショート動画共有アプリの大ヒットで多数のインフルエンサーが生まれた。

またスマホ注文専門のコーヒーチェーン「luckin coffee(瑞幸咖啡)」は設立わずか17カ月のスピード上場を果たす。モバイルインターネットが普及して人々の消費形態が大きく変化。サードプレイスというカフェの意義が弱まり、オフィスや移動中、レジャー時などにテークアウトでコーヒーを楽しむようになったのだ。

王者ノキアが陥落しスマホ市場の構図に変化

2008年、世界の携帯電話市場にはシェア40%を占めるノキアが王者として君臨していた。しかし静かに風向きは変わり始める。

2010年にアップルがiPhone 4を発売。同年、サムスンは製品の50%にアンドロイドを採用することを決定し、その後はアンドロイド携帯の最大手という地位を固める。

2011年2月にノキアはマイクロソフトとの戦略的提携を結び、共同でWindows Phoneの開発を進めることを発表するも、遅きに失したことは否めない。14年にわたり市場トップに君臨してきたノキアは、2012年第1四半期に販売台数トップの座をサムスンに明け渡すことになる。翌年、ノキアは携帯電話部門をマイクロソフトに売却した。

その頃、中国市場にも大きな変化の波が現れていた。

2010年に設立されたシャオミ(小米科技)は、斬新なビジネスモデルとコストパフォーマンスに優れた端末により、一気に市場を制圧、わずか4年で中国スマホ市場のトップに上り詰める。このシャオミに対抗するため、ファーウェイは2012年に「栄耀(Honor)」ブランドを立ち上げた。

オンラインで攻勢を続けるシャオミに対し、「歩歩高(BBK)」傘下の二大スマホブランド「OPPO」と「vivo」は地道に実店舗を展開していく。当時は地味な手法に思われたが、これがOPPOとvivoの強固な地盤を作り上げた。

急成長を遂げたこの3社に共通しているのは、キャリアとの事業展開ではなく消費者市場にターゲットを絞ったことだ。中国スマホ市場の上位5社はファーウェイ、シャオミ、OPPO、vivo、アップルが占めており、これは2015年から今に至るまで変わっていない。

急成長のAIが各社の重要戦略に

2012年、半導体メーカーNVIDIAはごく小さな企業に過ぎなかった。しかし同年、トロント大学のアレックス・クリジェフスキー氏がNVIDIAのグラフィックボード「GeForce」を使用してニューラル・ネットワークに120万枚の画像を学習させ、画像認識の誤差をそれまでの25%から15%に縮小することに成功。この結果は業界に大きな衝撃を与えた。

これを機にNVIDIAは大金を投じて「CUDA」のソフトウェアエコシステムを構築することを決定、AIチップを巡るレースで主導権を握る。

同時期に、テック企業のほとんどがAIを重要戦略に位置付けた。アマゾン、グーグル、アップル、マイクロソフトはそれぞれ独自の音声アシスタントを開発し、それがスマートスピーカーやスマホと共に一般家庭に広がっている。

高まる個人情報保護への意識

2018年3月18日、データ分析を用いた選挙コンサルティング企業「Cambridge Analytica」の不祥事が報じられた。フェイスブックから5000万人分の個人情報が漏えいしたことに加え、その情報が米大統領選に不正に流用されたとして、国家的な大問題に発展した。

グーグルやTwitterも数千万人規模の個人情報流出があった。いまやショッピング、宅配便、ホテル、医療などあらゆる業界が情報漏えいのリスクを抱えているほか、テック企業のビジネスモデルによっては、ユーザーの個人情報が危険にさらされる場合がある。AI技術の進歩のため、場合によっては個人情報の一部を譲渡する必要も出てくるが、これが問題を引き起こすことも少なくない。2018年から2019年にかけて、アマゾン、グーグル、アップル、マイクロソフトのAIアシスタントが会話を録音し、従業員が聞ける状態になっていたというニュースが相次いだ。

データは大きな価値を持つため、新時代の石油に例えられる。害を被ることなくこの石油を十分に活用するにはどうしたらよいか、これが今後10年間に取り組むべき命題だろう。

※アイキャッチ画像:unsplashu
(翻訳・畠中裕子)

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