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近日の情報によると、「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」は音声ライブ配信によるソーシャルサービスの内部テストを始めたという。すでに配信者として登録してあれば、抖音アプリを最新バージョンに更新すれば、音声ライブ配信ができるようになる。現時点ではアンドロイドOSのみでのテストだ。とある配信者のマネジメント企業が発表した音声ライブ配信開始の通知によると、同サービスが正式に始まったのは3月2日のようである。
音声ライブ配信を開始するには、これまでの動画ライブ配信と同様にアプリ画面の「配信開始」をタップし、その後の画面で「音声」タブを選択すればよい。現在配信開始画面には「動画」「ゲーム」「音声」の3つのタブがある。
音声ライブ配信を行っている配信者に対し、ユーザーはボイスチャットを申請することができる。複数のユーザーが申請した場合、配信者はチャットルームを開設することができ、最大8人が同時にボイスチャットを行うことができる。
他社の音声ライブ配信と異なるのは、抖音のサービスがソーシャル機能をより前面に打ち出している点だ。ボイスチャットルーム機能からわかるように、抖音はユーザー同士がより緊密につながることを目指している。同社の弱みであるソーシャルサービスを強化するのがねらいだ。抖音を運営する「字節跳動(バイトダンス)」は「多閃(duoshan)」というSNSアプリを発表しているが、抖音からのトラフィック誘導がありながらさほど人気にはなっていない。ソーシャルサービスの強化は依然としてバイトダンスの課題である。
膨大なトラフィックを持つ抖音をどのように使えば収益につながるのかについて、抖音自身も模索を続けている。ライブ配信、EC機能はともにトラフィックを利用したものであり、音声ライブ配信も同様だ。
音声コンテンツ配信でもっとも成功したのは「茘枝(lizhi.fm)」であり、多くの企業が同社に追随した。例えば音声配信プラットフォームの「喜馬拉雅(Ximalaya)」もライブ配信を重要な収益源としている。音楽配信プラットフォームの「網易雲音楽(NetEase Music)」も、動画と音声のライブ配信を今年中に始めることを重要目標に設定している。
しかし、音声ライブ配信の内容を把握することは困難だ。荔枝や音楽ソーシャルアプリの「音遇(inyu)」も、配信内容の問題で規制当局の処分を受けたことがある。また、抖音のこれまでのイメージと音楽ライブ配信がうまく融合できるのかも不明だ。いまや抖音は数多くのビジネスを手掛けるようになっているが、その戦略が十分練られたものかどうはまだ見えてこない。
(翻訳:小六)
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