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中国版Nintendo Switchのユーザーはすでに「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」には飽きてしまっているが、新しいゲームが発売されていない状況だ。
任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ、以下「NS」)」が春節から論争の渦中に陥っている。発売以来、3カ月間新しいゲームが発売されていないのだ。中国版NSを購入したユーザーは次々にNS「叩き」に出ている。「虚偽広告にあたる」として中国消費者協会に訴えた消費者までいる。
このような不満に理由がないわけではない。2019年12月10日、中国版NSは国内大手ECサイト「京東商城(JD.com)」や「天猫(Tmall)」などで発売された。任天堂の中国側提携パートナーはテンセント(騰訊)だ。発売当日、テンセントのNintendo Switchのアカウントは微博(ウェイボ、中国版ツイッター)で、「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」が当日発売されるとの情報を発表した。また「マリオカート8 デラックス」と「スーパーマリオ オデッセイ」も数週間のうちに発売するとしていたが、3カ月近くが過ぎてもゲームは発売されず、消費者の同社に対する姿勢も、この数か月間で大きな期待から不満へと変わってしまった。
ユーザーはパッケージソフト版を購入してゲームを楽しむことはできるが、現在の新型コロナウイルスの感染流行が続く状況ではパッケージ版の価格も値を上げており、消費者のユーザーエクスペリエンスに大きく影を落としている。
この騒動に対してテンセント側も微博を更新し、ユーザーに対する無料の保証期間を半年延長すると発表した。また、NSユーザーのエクスペリエンスの向上には取り組んでいるとしている。
しかし、後手に回った対応ではユーザーを一次的になだめることはできても、根本的な解決には至らない。結局のところ「いつになったら多くのゲームソフトを発売するのか」といった本質的な問題に回帰してしまう。
ユーザーの当初の思いは、中国語でゲームを楽しむことができ、ネットワークも優れていて、現地サービスと整ったアフターサービスの保証があることであった。しかし残念ながらテンセントの対応はユーザーの意に反するものとなってしまっている。
ゲームのエリア制限、中国国内の審査はNSが中国市場に参入する上で大きな問題だった。発売当初、同社の「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」、「ポケットモンスター」などの人気ゲームは最初のラインナップには入っていない。このとき、テンセントゲームズ任天堂協力部の銭庚・総経理は「『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』などのゲームのローカライゼーションはやや難しい」、また「政策のコンプライアンスを順守し、今後はより多くのNSのゲームを発売する」と話している。今回の新型コロナウイルスの感染流行の影響を受け、任天堂のシリーズ製品は多くの人が購入を希望している家庭用娯楽製品の必須アイテムとなっている。「リングフィット アドベンチャー」は中国では即完売となり、同社に多くの収益をもたらした。しかし、今回の件でユーザーエクスペリエンスは低下し、中国版NSにとって最大の足かせとなってしまった。
※アイキャッチおよび本文中の画像は、テンセントNintendo Switch公式ウェイボーによる。
(翻訳・lumu)
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