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自動運転スタートアップの「小馬智行(Pony.ai)」に4億ドル(約440億円)を出資したばかりのトヨタが、3月18日に中国のもう一社の自動運転技術ユニコーン「Momenta」と戦略的提携を行うと発表した。Momentaはトヨタにコンピュータビジョンに基づく高精度地図データと地図の更新サービスを提供し、トヨタの「自動地図生成プラットフォーム(AMP)」の中国での商用化をサポートする。
Momentaは2016年に設立された企業で、「自動運転のためのシステム」を開発することを目標としている。同社はALに基づく環境センシング、高精度地図、自動運転の意思決定アルゴリズムの技術に強みを持ち、自動運転の量産化と完全な無人運転の実現を目指している。現在は自動運転の量産化のために獲得したデータと資金で無人運転の開発を支え、無人運転の技術を自動運転に応用するという補完関係を形成している。
Momenta社の資料によると、高精度地図はディープ・ラーニングによるセンシング技術と、SLAM(自己位置推定とマッピングの同時実行)技術に基づくものであり、民間用のセンサー(カメラ、GPS、慣性計測装置)でも十分高精度地図の自動生成が可能で、誤差は10cm以内である。また、道路標識、分離帯、白線、信号などの視覚情報のほか、道路の種類、車線ごとの交通規則上の違いといった情報と関連付けることも可能だ。この技術は量産型のセンサーの多くをサポートするものであり、大規模な商用化を低コストで行うことができる。また、Momentaの地図自動生成機能はビッグデータを高速に処理することができ、地図を最新に保つことができる。
なぜこの技術を採用したかについて、Momentaの開発ディレクター兼地図業務担当の孫剛氏は2018年に次のような見解を示したことがある。従来の地図情報企業が採用しているLiDAR技術はコストが高く、大規模な展開が難しいため、地図の更新が遅くなり、実証実験も遅れがちだという欠点がある。それに対し、コンピュータビジョンならハード面のコストが低く、大規模な配備が比較的容易であるという。
Momentaは2018年に中国の「ナビゲーション電子マップ製作(甲類)測量」のライセンスを取得済み。2019年末の時点で、中国で甲類の測量ライセンスを取得したのはわずか21社しかなかった。ただし、孫剛氏によると、測量ライセンスを取得しても同社が地図情報企業に転身することはなく、今後も「自動運転のためのシステム」を開発することに注力するという。自動車メーカーや一次サプライヤーに高精度地図と更新サービスを提供するのは同社の全体的な戦略の一環であり、自動車メーカーが持つ膨大なデータを、自動運転システムと地図の自動作成に生かすのが狙いだ。
Momentaが世界トップクラスの自動車メーカーと提携するのは初めてではない。2017年にはダイムラー社(Daimler AG)からの出資を受け、この出資はダイムラーにとって初の自動運転スタートアップへの出資になった。2018年10月には2億ドル(約220億円)の資金調達を行い、その後の企業評価額が10億ドル(約1100億円)を超え、自動運転分野での中国初のユニコーン企業になった。
(翻訳:小六)
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