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独占契約の縛りと加盟店手数料の高さに苦しむ飲食事業者たちが、生活関連O2Oサービス大手「美団点評(Meituan Dianping)」(以下、美団)のフードデリバリー事業「美団外売(Meituan Waimai)」に対して、本格的な抵抗姿勢を示し始めた。
広東省の飲食事業者団体、広東省餐飲服務行業協会は4月10日、中国版ツイッター「微博(Weibo)」の公式アカウントで、協会に加盟する数百社を代表し、美団外売に対して書面による交渉の申し入れを行ったと表明した。同協会は美団外売に対し、独占契約による制限および関連条項の即時撤廃と、新型コロナウイルス流行期間中の加盟店手数料について5%あるいはそれ以上の減額を求めた。
美団外売は2月中旬以降、五つの省・直轄市の飲食事業者団体からも相次いで同様の申し入れを受けている。
2015年には1.1%だった手数料率は、昨年には12.6%へ大幅に増加している。新型コロナウイルスの流行で店内飲食が禁止され、フードデリバリーに頼らざるを得なくなった飲食事業者にとって、この手数料が極めて大きな負担となっている。
美団外売の取引件数は、フードデリバリー市場の約7割を占めている。市場におけるアドバンテージは、加盟店に独占契約を強く迫る上での武器となっている。加盟店は続々と書面による交渉を申し入れているものの、美団外売から離れることもできずにいる。
感染症流行の影響で苦しんているのは加盟店だけではない。美団も窮地に追い込まれている。美団の売上高の8割を占める主力事業、フードデリバリーとレストラン・ホテル・旅行予約サービスは、新型コロナウイルの流行により極めて大きな影響を被った。ホテル・旅行予約サービスの回復を待つ中で、フードデリバリーサービスは同社の生命線となっている。フードデリバリーサービスの売上高の9割以上を占める加盟店手数料が、同社の「生き残り」に必要不可欠なのは言うまでもない。
飲食事業者の生き残り策 鞍替えかミニアプリか
飲食事業者が美団外売との決別を考えるなら、選択肢は二つしかない。アリババグループの地域密着型生活関連サービス「阿里本地生活服務(ALSC)」が運営する「餓了麼(ウーラマ、Ele.me)」に加盟するか、自前のミニアプリを立ち上げるかだ。
ALSCは、膨大な利用者数を誇るスマホ決済サービス「 支付宝(アリペイ)」とも連携している。美団外売が強気の姿勢を貫けば、加盟店が餓了麼に流出する可能性は高い。
中・小規模の飲食事業者の一部には、手数料の高い外部のプラットフォームに依存せずにすむよう独自のミニプログラムを構築する動きも見られる。
美団外売の生き残り策 フード以外のデリバリー事業拡大へ
美団外売が生き残るためには、フードデリバリー以外の成長分野を見つけることが重要になってくる。
美団外売は4月9日、メッセージアプリ「微信(WeChat)」の公式アカウントで、すでに一部の化粧品やスマホ、書籍などの商品についてデリバリーサービスを始めていると明らかにした。加盟店手数料にさほど敏感ではなく客単価も比較的高い商品を扱う事業者との提携を進めていることが分かる。これらの商品を扱う事業者も新型コロナウイルス流行により実店舗への来店客数が減少しているため、美団外売との提携は賢い選択の一つになるだろう。美団外売としても多様な収入源を確保できる。いわば一挙両得、ウィンウィンの関係が築ける。
美団も飲食事業者も厳しい局面に置かれていることに変わりはない。美団は現在、いかにして社会的責任と企業としての利益を両立するかという課題に直面している。
(翻訳・田村広子)
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