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植物由来の人口肉を開発する新興企業「Hey Maet」は、5月11日にスナック食品大手の「百草味(Be & Cheery)」と共同で植物肉を使ったちまきの販売を開始した。価格は百草味が同時期に新発売した本当の肉を使ったちまきと同じで、ECサイト「淘宝(タオバオ)」のHey Maetまたは百草味の店で購入可能だ。
Hey Maetは中国発の企業であり、長年植物肉に関する技術開発を進めてきた。同社は今後、北京五輪の選手村に食事を供給したメーカーとともに新製品を製造し、より多くの商品を販売する予定だ。
人工肉は昨年から人気を博しており、なかでも植物を原料とした植物肉はもっとも早く商品化に成功している。米国ではマクドナルド、ケンタッキー、ピザハット、バーガーキング、スターバックスなどの外食チェーンで植物肉を使った商品が販売されている。米国の植物性食品協会(Plant based Foods Association)のレポートによると、2019年、米国の植物肉市場は18%成長し、市場規模が9.39 億ドル(約1000億円)に達し、同国の包装食品の小売額の2%を占めるに至っている。中国国内でもケンタッキーとスターバックスがすでに植物肉を使ったメニューを展開しており、多くの消費者の関心を呼んでいる。
Hey Maetの創設者Chichi氏は海外での起業経験があり、10年以上前にベジタリアンとなった。彼女によると、これまでの中国のベジタリアンの多くは宗教上の戒律を遵守するために菜食を行っており、市場が小さく一般人への影響力も弱かった。それに対し、近年は生活水準の向上により多くの人が自由に肉を食べられるようになったことで、環境保護や動物保護への関心が強まり、さらに食品安全問題や新型コロナと野生動物食の関連性が疑われていることもあり、美味かつ安全、健康なタンパク源へのニーズが高まっている。
Hey Maetの開発チームはシリコンバレーの出身で、開発リーダーはカリフォルニア大学バークレー校のDavid Drubin氏だ。同社はできるだけ添加物を使わずに味をよくすることを目指している。
味を良くするためには技術開発のほか、生産体制も重要である。同社のパートナーには国内外の大手航空会社の機内食の供給に携わった人物がおり、この点でも体制が整いつつある。
Chichi氏によると、米国の植物肉市場では、すでに「Beyond Meat」、「Impossible Food」などの著名な企業が販売チャネルとマーケットシェアをめぐって激しい競争を繰り広げており、専業以外の企業も含めると100社以上が関連商品を手掛けている。それに対し、中国では海外の大手企業が進出し、市民の関心も高まっているものの、まだ大規模な展開には至っていないため、企業が消費者教育をしていくには最適な時期だという。
Hey Maetの製品の主原料は大豆、グリンピース、とうもろこしである。これらは重要な飼料作物でもあるため、安定した大規模な調達が可能だ。もともとは飼料として使われ、動物性タンパク質に生まれ変わっていた作物を、直接植物肉として製造することによって、資源の節約も期待できるという。
(翻訳:小六)
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