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中国のチップ製造業が内製化に舵を切るタイミングが早まったようだ。
米商務省は15日(現地時間)、自国のチップ製造設備を使用する海外の企業に対し、新たな輸出規制を発表した。ファーウェイおよび傘下のハイシリコン(Hi Silicon=海思半導体)など各関連企業に対し、米国の許可証なしにはチップの販売が禁止される。
18日の香港取引所では、ファーウェイと取引関係にある各企業が序盤から軒並み下落した。同日の取引終了時点で、カメラモジュールの「丘鈦科技(Q Technology)」は8.04%、光学関連部品の「舜宇光学科技(Sunny Optical Technology)」は10.61%、音響関連部品の「瑞声科技(AAC Technologies)」は5.63%、携帯電話用部品の「比亜迪電子(BYD Electronic)」は6.95%、半導体ファウンドリ「中芯国際集成電路製造(SMIC)」は1.77%下落している。
ブルームバーグインテリジェンス(BI)の予測では、ファーウェイ最大のサプライヤーであるTSMC(台湾積体電路製造)や中芯国際の今年の販売額は一定の影響を受けることになる。TSMCはアップルやクアルコムなど米国の取引先へ依存度を深めていく一方、中芯国際は国産の製造設備を取り入れるなどしてファーウェイ向けの製造を続けると予想される。
ファーウェイが今年にTSMCから調達する製品の大部分は、スマートフォンおよび5G基地局の製造に用いられる。7nmおよび5nmプロセスで製造されるチップセットだ。IT専門調査会社IDCや前出のBIのデータによると、2019年時点でファーウェイはTSMCの2番目の顧客で、全売上高の14%以上を占める。
ファーウェイとの競争関係が消失すれば、アップルやクアルコムは軒並み販売額を増やすうえ、両社はTSMCからの調達を増やすだろう。
18日付の一部報道では、ファーウェイ傘下のハイシリコンはすでにTSMCに対し、7億ドル(約750億円)の追加発注を行った。5nmチップはスマートフォン向け次世代プロセッサ「Kirin1020」「Kirin1100」に、7nmチップはスマートフォン向けで現行の主力製品「Kirin 980」「Kirin 990」の製造に用いられる。
BIの予想では、中国企業として高い技術を持つ中芯国際に対する影響は限定的なものになりそうだ。
中国国際金融(CICC)で研究部門を率いる黄楽平氏のチームは、米商務省による新たな輸出規制はハイシリコンの生産能力に比較的大きな影響を及ぼすとみている。ハイシリコンの自主開発チップはファーウェイ製品においてベースバンドやRFなどコア部分で多く採用されている。短期的には在庫で対応できるだろうが、長期的には携帯電話の設計そのものに変更を迫られることになる。内製化を進めるか、日本製・韓国製の部費品調達を増やすことになるだろう。
(翻訳・愛玉)
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