バイドゥ1Q決算、予想越え好調 新型コロナ禍でも純利益219%増の470億円

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5月18日、中国IT大手バイドゥ(百度)が2020年第1四半期(2020年1~3月)の決算報告を発表した。

売上高は前年同期比7%減の225億元(約3400億円)だったが、市場予想の219億1000万元(約3300億円)を上回った。純利益はNon-GAAPベースで前年同期比219%増の31億元(約470億円)で、こちらも市場予想の14億8400万元(約230億円)を上回った。

決算発表後、バイドゥの株価は一時10%上昇し、取引終了後には8%増の116.2ドル(約1万2500円)となった。 

同社のロビン・リー(李彦宏)CEOは「今四半期は新型コロナウィルスの影響で社会的に『ステイホーム』が徹底されたが、売上高は前年同期比7%減までに食い止めた。その主因は収益源を多様化させたことで、各業界に向けたマーケティングサービスやAI関連の新事業、傘下の動画サービス『iQIYI(愛奇芸)』などがこれに寄与した。その後、中国国内では感染も徐々に沈静化し、社会活動も再開してきた。中国経済の復調と共にバイドゥも収益を回復していくだろう」と述べた。 

ハーマン・ユー(余正鈞)CFOは続いて、「コア事業における運営効率の向上は、主にモバイルエコシステムの強化によってアプリ内検索の成長がブラウザ検索を上回り、収益力もより強くなったことで実現した。AI関連の新規事業も好ましい成長を示した」と述べている。 

事業別にみると、主力事業の「百度核心(Baidu Core:インフィード広告・AI事業)」の売上高は前年同期比13%減の153億元(約2300億円)。EBITDAは同38%増の46億元(約700億円)だった。「中国版Netflix」とも形容されるiQIYIの売上高は同9%増の76億元(約1200億円)だった。

収益モデル別にみると、最大の収益源であるオンライン広告(バイドゥ本体およびiQIYIによるもの)の売上高は前年同期比で微減の142億元(約2200億円)だった。感染症の影響で広告業界全体が打撃を受けたことが原因だ。

一方で、バイドゥのモバイルユーザーは新型コロナウィルスの恩恵を被る形で爆発的に増加。今年3月時点で百度アプリのデイリーアクティブユーザー(DAU)は前年同期比28%増の1億2200万人に達し、同アプリ内検索も同45%増となった。個人向けメディアプラットフォーム「百家号(Baijiahao)」におけるコンテンツクリエイターは同44%増の300万人を超え、同社のミニプログラム「百度智能小程序(Baidu Smart Mini Program)」は月間アクティブユーザー(MAU)が同96%増の3億5400万人に達した。 

オンライン広告以外の事業は売上高が前年同期比28%増の83億元(約1300億円)で、主にiQIYIの有料会員、クラウドサービス、スマートデバイスの成長がけん引した。iQIYIの定額サービスを利用するユーザーは同23%増の1億1890万人となった。AIアシスタント「小度(Xiaodu)」および自動運転開発プラットフォーム「Apollo」も安定して成長している。今年3月時点で小度のインタラクション回数は総計65億回に上り、前年同期の3倍近くに達した。Apolloのスマート交通システムでは重慶市、合肥市(安徽省)、陽泉市(山西省)などの地方自治体と契約を締結し、IVICS(路車協調システム)の構築プロジェクトを担うこととなった。

バイドゥの今四半期の利益が予想を上回ることができた背景には、コストおよび費用を前年同期比8%減の230億元(約3500億円)に抑えられたこともある。売上原価はTAC(トラフィック獲得コスト)の削減に成功したこともあり、同1%減の147億元(約2200億円)となった。販売費および一般管理費は同36%減の38億5000万元(約600億円)、研究・開発費用は同7%増の44億4000万元(約700億円)だった。

 JPモルガン・チェースは、バイドゥのコア事業は第2四半期には復調するとみている。バイドゥ自身は同四半期の売上高を250億~273億元(約3800億~4100億円)と予想する。ただし新型コロナウィルスを取り巻く国内事情は常に変化するおそれがあり、確実な予想ではないとしている。

(翻訳・愛玉)

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