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どうすれば実店舗に足を運ばずに、自分の肌に合うコスメと出会えるのだろうか。その答えの一つが、EC大手「京東(JD.com)」が「618セール」(6月18に前後に行われる中国のECのセール・イベント)に合わせて始めた肌測定AIである。
京東は5月から肌測定AIの内部テストを始めた。現在は正式なローンチには至っていないが、一部のユーザー向けの体験利用を行っている。京東のアプリのQRコードスキャン画面や商品情報ページ画面から、肌測定AI機能にアクセスでき、ポートレート画像をアップロードすれば、AIが肌について数十項目に渡る判定をしてくれるものだ。
AI、ビッグデータの技術の進展にしたがい、コスメショップのセフォラや、コスメ大手のロレアルなどがすでに同様のサービスを展開しているが、ECプラットフォームのなかでは、京東が先陣を切ったことになる。
京東の肌測定AIは、美容整形技術開発の「美医研究院(MYlab)」と共同開発したものである。同研究院は「北京大学医学部研究成果実用化・イノベーションセンター」と戦略的パートナーシップを結んでいる。このAIには現在販売されているコスメ商品のデータベースが内蔵されており、測定結果に合わせて商品を推薦し、使い方のアドバイスを行うことができる。
測定結果画面は上の画像の通り。結果ページには総合評価、肌年齢、項目別評価などが表示される。特に肌色、角栓、目の隈、ニキビの状態の判定においては、90%以上の正確性を誇る。
肌のトラブルの原因は複雑であり、例えば目の隈だけでも、たるみ、色素沈着、血行不良の3つの可能性がある。原因によって対処法が変わるため、肌測定AIで簡単に識別できれば、商品選択において手間を大きく省くことができる。
京東以外の肌測定AIでは、ロレアル・グループが今年4月にAIでファンデーションの色を自動的に調合してくれるファンデーションファインダーを発表し、現在傘下最大のコスメブランドメイベリンでサービスが始まっている。AIファンデーションファインダーはロレアル・グループの本社と中国支社が共同開発したもので、中国で世界初公開となった。ロレアルが目指す「ハイパーパーソナライゼーション」の進展を印象づけるものである。
京東の肌測定AIも同様にパーソナライゼーションの進展を見据えたものだ。市場調査会社の「Mintel」はレポートにおいて、未来のコスメ業界では年齢、性別、肌タイプで顧客を大まかに分類するのではなく、一人ひとりに合わせたパーソナライゼーションへと進化すると予測していたのが、少しずつ現実になってきているのである。
(翻訳:小六)
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