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自動運転技術を開発する米ウェイモとスウェーデンの高級車大手ボルボ・カー・グループは25日(米現地時間)、世界的戦略提携を締結し、自動運転ソフトウェア「Waymo Driver(ウェイモ・ドライバー)」を共同で推進していくことで合意したと発表した。
ウェイモは、ボルボグループの高性能車ブランド「Polestar」およびボルボグループ主要株主の中国吉利汽車(GEELY)と共同開発の新ブランド「Lynk&Co」とレベル4(L4)自動運転技術における独占提携パートナーとなる。まずはWaymo Driverを配車サービス専用の純電気自動車(BEV)プラットフォームに導入し、将来的にオンライン配車サービスを含むシナリオや事業を興していくとみられる。
ウェイモの自動車事業部門で最高責任者を務めるアダム・フロスト氏は「きわめて競争の厳しい自動運転分野において、ボルボとの戦略的提携関係を築けたことはウェイモにとって重要なことで、今後数年の間にグローバル市場へWaymo Driverを広める後押しになる」と述べている。
一方、ボルボでCTOを務めるヘンリック・グリーン氏は「完全自動運転技術が持つポテンシャルが存分に発揮されれば、道路の安全はこれまでにないレベルで改善され、人々の仕事、生活、移動方法が徹底的に変わるだろう。ウェイモとの世界的な戦略提携関係はボルボや傘下のPolestar、Lynk&Coに全く新しいビジネスチャンスをもたらす」と述べた。
米ブルームバーグの報道によると、ウェイモは2016年12月にグーグルの自動運転開発部門から分社化する以前に、ボルボをはじめとする自動車メーカー12社と接触。フィアット・クライスラー(FCA)やジャガー・ランドローバー(JLR)、ルノー・日産・三菱アライアンスと提携し、Waymo Driverは複数の車両プラットフォームで徐々に導入されてきた。2018年3月にはJLRから高級電動SUVを2万台、同年6月にはFCAからハイブリッドカー6万2000台の供給を受けることで合意している。
しかし、既存車種に自社の自動運転システムを組み込むのは時間もコストもかかり、車両の安定性にも不安が残る。そこでウェイモは2019年1月、米デトロイトに新工場の建設を開始。JLRとFCAの両社から調達した一般車両を自動運転車に改造すると発表した。とはいえ、最も理想的なのはメーカーと提携して最初の設計段階から自動運転車を製造することだ。
ボルボは自動運転分野に意欲的なメーカーだ。2017年6月には米NVIDIAの車載コンピューティングプラットフォームを用いて自動運転車を製造すると発表している。また2019年6月には自社のSUV「XC90」をベースに米Uberの自動運転システムを搭載した量産型車両を発表。2022年にはL4の自動運転車も発売予定だ。
(翻訳・愛玉)
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