中国感染症対策にスマートロボットが活躍 危険で面倒な消毒作業も一手に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ編集部お勧め記事注目記事

中国感染症対策にスマートロボットが活躍 危険で面倒な消毒作業も一手に

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

2019年末から広がった新型コロナウイルス感染症は人々の生活を大きく変化させた。ロボット技術の研究開発を行う「布科思科技(BooCax)」は今年年3月に消毒用噴霧ロボットを開発し、高い安全性と効率性を強みにさまざまな公共の場所に普及し始めた。

布科思科技は2014年に設立され、ロボットの自己位置推定・ナビゲーション設備およびアルゴリズムの研究開発を行ってきた。当初はほかのロボットメーカーに対して、自己位置推定やナビゲーション機能のソリューション提供を行っていたが、現在では消毒ロボット、搬送ロボット、室内配送ロボットなどのハードウエア製品開発を主力にしている。

年初に新型コロナウイルスの感染流行が拡大した際、同社は自社のロボットの特性が感染対策に必要な消毒ロボットに適していると考え、既存の用基本型ロボット「海亀(Turtle)」を基に実際のニーズに合わせた開発を行い、1カ月あまりの短期間で消毒ロボットを完成させた。この消毒ロボットはすでに市場へ投入されている。現在、消毒ロボットはルート設定、障害物の自動検知、消毒トレースログなどの機能を備え、広域殺菌でも殺菌率は99.99%以上となっている。16 Lの薬剤タンク、連続動作時間6時間のバッテリーを搭載し、1回の消毒作業で最大2万㎡をカバーする。このロボットの最大のアピールポイントはSLAM技術(自己位置推定と環境地図作成を同時に行うこと)であり、そこに布科思がレーザー、慣性ナビゲーション・システムなどの技術を融合させて、独自開発したものだ。

従来の消毒作業は人手を介して行う必要があったが、それには安全性と効率性の面で問題があった。

安全面について見ると、作業員が消毒作業を行う場合には重い防護服を着用する必要があり、それでも高リスクな場所においての作業では感染リスクがゼロではない。その点、消毒ロボットは作業員の感染リスクを減らす。作業員は最初に機器の初期設定を行い、その後は薬剤の追加投入など標準的な作業をするだけで、モニタリングも必要ない。

効率面では、消毒剤の効果を最大化して放出することが重要だが、人が行うと、作業員の負荷が大きく、また達成率など定量的な指標を判定するのが難しい。作業員のやる気に依存し過ぎると、消毒漏れを引き起こしやすく、期待した効果が得られない。人による作業をロボットに置き換えることにより、消毒作業の効率と効果を高めることができる。また同社はさまざまな薬剤の特性の研究にも注力しており、薬剤ごとに最適化したソリューションを提供できるという。

同社は販売前に顧客とコミュニケーションを取り、顧客の具体的な使用場面に合わせて、どの薬剤をどの程度の濃度で使用する必要があるかなどのアドバイスを行う。

このほか、ロボットを使用する場所の障害物の有無、薬剤がかかってはいけないものの有無、各機能をどのように調整するかを詳細に分析し、危険な場面で人とロボットが交差して二次災害が起こらないように対策を行う。

新型コロナウイルス対策が常態化するにつれ、消毒はウイルスを抑えるための主要な手段のひとつとして、今後長期に渡って公共の場所では日常的な作業となるだろう。布科思の消毒ロボットはすでに数百台販売されており、病院、地下鉄、駅、オフィスビルなどさまざまな場所で活躍している。販売台数の増加にともない、同社は現在、積極的にサプライチェーンの統合を進め、コストの最適化を図っている。

布科思の消毒ロボットはその特性を生かし、専門のセールスチームを構築して販売を行っている。従来の販売ルートだけではなく、新しいメディアチャネルも利用し、海外向けにも販売している。

消毒ロボットはまだ発展段階の初期にあり、新型コロナウイルスの感染流行によって初めて人々の目に触れるようになった。初期の製品の多くは従来のロボットを改造したものだった。公開資料によると、中国の産業用ロボット市場の規模は57億3000万ドル(約6100億円)に達し、そのうち消毒ロボットなどのサービスロボットの市場規模は22億ドル(約2300億円)で、2021年には33.1%増加して40億ドル(約4300億円)に達すると予測される。

布科思のコアチームは清華大学、上海交通大学、中国科学学院自動化研究所など有名学術機関や研究所の出身で、10年以上の識別モデルおよびAIロボットアルゴリズムの研究開発経験を持つ。2018年11月、同社はシリーズAで資金調達を行っている。

(翻訳・普洱)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録