中国、内視鏡手術の練習にはVR+ロボット活用 本物に近づける触覚技術

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触覚ロボットのスタートアップ「IHS智触(Intelligent Haptronic Solutions、以下「IHS」と略称)」がエンジェルラウンドで数百万元(約数千万円)の資金調達を行ったことがわかった。出資者は「洪泰智造(Aplus Labs)」と「元真価値投資(Initial Science Value Investment)」。

優秀な医師の不足は、中国の医療現場における大きな課題の一つであり、手術の執刀医に関しても同様の状況である。そこで、IHSは消化器内視鏡手術用のトレーニングロボットを開発した。ロボットとVRで消化器の内部の様子をシミュレートすることで、医学生や若手の医師も簡単に手術のトレーニングを行うことを可能にしている。

本物に近づける触覚技術

IHSの中核技術は、なんといっても触覚ロボットである。

同社のシステムのメカニズムはこうだ。人間が操作ハンドルを動かすと、HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)システムがハンドルの動きをリアルタイムでデータ化し、その数値をVRシステムに送信する。VRシステムは送信されたデータをもとに、VR環境にどれくらいの変形が生じるのか、フォースフィードバックがどれくらいになるのかを計算し、その結果をHCIシステムに送信する。HCIシステムはその数値によって、ハンドルでフォースフィードバックを再現する。

このシステムにより、トレーニング中でも、実際の消化器の内壁にかなり近い感触を実現することができる。消化器や病巣に触れた時、変形がモニターに表示されるだけではなく、効果音も用意されている。

IHSは設立から3年間で、技術面で3回の大掛かりなグレードアップを行った。米国、中国で特許とソフトウェア著作権を持つ最新のトレーニングロボットのプロトタイプがまもなく量産される予定だ。

よりアジア市場に適したトレーニング

ロボットによる医療現場のトレーニング支援では、米国の「3D SYSTEMS」、スウェーデンの「Surigical Science」、カナダの「CAE」などの有力企業があるが、彼らと比較した場合、IHSの最大の強みはよりアジア市場に適合したデータとトレーニングカリキュラムを提供できることである。

IHSのクラウドプラットフォーム

IHSは中国の著名な医療機関と共同研究をしており、トレーニングの際に使用する患者のデータはすべて実際の手術から取得したものである。そのため、患者の年齢、性別、人種、心理的な反応などは、より中国の実情に近いと言える。現在同社は、清華長庚医院、南方医科大学深圳医院など11の総合病院と臨床研究で提携しており、うち3機関と産学連携も進めている。

IHSの製品は、今年9月に南方医科大学深圳医院に正式に導入される予定であり、ほかにもカナダのバンクーバー総合病院、深圳大学総医院での導入が基本合意されている。今後同社は、これらの病院での実績によって影響力を拡大させ、2021年第1四半期に大規模な量産化をはじめ、同年1年間で60〜80台の出荷を目指すとしている。

コストパフォーマンスの良さ

この市場での主な競合は上記の海外企業であり、その製品の価格は150万〜200万元(約2300万円〜3000万円)の間となっている。それに対し、IHSの製品は60万〜80万元(約900万円〜1200万円)で、リース契約も可能だ。こうしたコストパフォーマンスの良さで、国内の医療機関でのシェアを伸ばしていきたいという。

現時点でのIHSの収益モデルは次の2つである。

まず、医療機関や大学の医学部に設備を販売し、さらにトレーニング、ソフトウェアの使用や更新時に料金を徴収する形だ。このシステムでの売り上げは同社の売り上げの70%を占めている。

次に、医学生や若手医師向けに、ロボット不要でパソコンにインストールするだけで使える内視鏡手術トレーニングソフトウェアを販売することである。ソフトウェアの販売のほか、トレーニング料やクラウドプラットフォームの使用料も徴収する。このシステムでの売り上げは全体の30%を占めている。

中国国内で展開するほか、IHSは北米や東南アジアでの事業拡大も計画している。これらの地域を合わせた場合、内視鏡手術トレーニング市場の規模は約300億元(約4500億円)となり、さらにトレーニング料金、クラウドプラットフォームなども合わせれば、300億元(約4500億円)以上になるだろう。

IHSは目下シリーズPre-Aで製品の量産化のために資金調達を求めており、目標額は1200万元(約1億8000万円)で、株式を10%希薄化させる予定である。資金調達後、同社の評価額は約1億2000万元(約18億円)になる。

(翻訳:小六)

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