人手不足に悩む建設現場で内装ロボットの実用化へ 誤差最小1mmの精度を実現

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建設業は労働集約型産業であり、近年の求人難や人件費の高騰に悩まされている業種の一つでもある。その問題を解決すべく、建設ロボットを開発する動きが活発になっている。

そのなかでも、実用化に近づいているのが、「帕梅艾爾」社が開発した内装ロボットである。部屋に設置すれば、自動的に室内を測量し、パテ塗り、壁仕上げなどの左官工事を行うことができる。

内装の現場は、床や壁が平らでない場合が多く、ロボットの移動と工事の精度に影響する。帕梅艾爾社ではロボットを支える土台の角度を、地面の傾斜に合わせて自動調整できるように開発しており、平らでない場所でも作業が可能となった。壁面については、ロボットが測量した後に、施工時に凹凸を考慮に入れるようアルゴリズムを独自開発することで、誤差最小1mm前後という精度を実現した。これは中国の内装の国家基準を十分満たす数値である。

内装工事の現場では、壁に使う塗装剤は灰色や白がほとんどである。色の変化がないため、従来のセンサーではうまく焦点が合わず、測定が不正確になりがちだという問題があった。この点について、帕梅艾爾社は他社のセンサーを含めた複数のセンサーを同時にロボットに搭載することで、高い精度を実現している。

もう一つの課題は、事前にロボットが読み込んだBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のデータと、実際の状況との間に誤差があることだ。誤差を放置したままではBIM通りに施工できず、修正するためには専門の技術者が必要となり、コストが高くなる。そこで、帕梅艾爾社はロボットの自動プログラミング機能を開発した。現場で測量した壁面や地面の実際の状況をBIMと突き合わせ、違いのある箇所の施工方法について自動的にプログラミングとティーチングを行うことができる。操作はすべてワンタッチであり、初心者でも手軽に使えるようにすることで、導入のハードルを下げている。

同社は2019年末に第4世代の製品を工場でテストし、今年4月に実際の現場でのテストを開始した。現在のテスト結果は良好で、年末までに実用化できる見込みだ。

コスト抑制効果について、同社の計算によれば、同じ作業を人間が行った場合、単位面積あたりの人件費は17元(約260円)だが、ロボットならわずか7元(約110円)だ。さらに、ロボット1台で、20〜30人が同時に作業をするのと同等の速さを実現でき、人間の半分以下のコストで、効率を大きく高めることができるのである。

販売方法については、同社は現時点ではリースを中心に考えている。この方法で導入した場合は約6〜8カ月でコストを回収することができる。

建設現場でのロボットの実用化は、全世界をでもまだ数社しか実現していない。有力企業としては、ノルウェーの「nLink」、オーストラリアの「Fastbrick Robotics」、米国の「Construction Robotics」などがある。中国国内では他に「大界機器人(roboticplus)」がプレハブ工法専用の建設ロボットを実用化させている。

帕梅艾爾社は現在資金調達を模索している。今後はロボットの移動、運動制御、自動プログラミングの技術をさらに改善していくとともに、床仕上げ、タイル張り、外壁施工にも対応できるように開発を続けていき、自社で賄えない技術は外部からの調達を想定している。早期に実用化と量産化を実現し、さらに規模を拡大させていきたいという。

(翻訳:小六)

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