ランボルギーニ、ガンダム・・中国スマホがコラボ商品を続々リリース ただの話題作りか

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スマホ・IoT家電大手のシャオミ(Xiaomi、小米)は、設立10周年を記念してイタリアの高級スポーツカー「ランボルギーニ」とコラボレーションし、電動ゴーカート「ナインボット・ゴーカート・プロ・ランボルギーニ・エディション」を発売した。数量限定で価格は9999元(約15万円)とリーズナブルだ。シャオミは先月、海外市場向けにメルセデス・ベンツとコラボした電動キックボード「Mi Electric Scooter Pro 2」を499ユーロ(約6万2000円)でリリースしている。

スマホベンダーが自動車ブランドとコラボレーションするのは新しいことでも珍しいことでもなく、新たな消費者層を取り込むための常套手段となっている。

IPコラボ+限定販売でプレミアム

市場の常套手段、限定販売による「希少価値」 の付加はコラボ商品にも適用される。 限定商品は訴求性が高く、コラボ商品にはプレミアムが付くため消費者はスマホやブランドに対して信頼感や好奇心を抱くようになる。

OPPOが日本の人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とコラボしたスマホ「OPPO Ace2 EVA限定版」を限定1万台で発売した際は、真夜中にもかかわらず21分で完売した。PPOコラボEVA」のハッシュタグが付けられた投稿が約7万件、閲覧数は2億3000万回に上った。人気動画サイトの「ビリビリ動画(Bilibili)」では、この商品を取り上げたレビュー動画の再生回数が58万7000回となった。

インフルエンサーによるコラボ商品の開封動画も人気を高めるのに役立っている。コラボ商品がヒットすれば「今がチャンス!コラボ商品は今や一種の金融商品だ」や、アイスキャンディー「鐘薛高(Chicecream)」とシャオミのスマホ「Mi 10」がコラボすれば「このスマホはアイスキャンディーの棒で充電できるのか?」などのコメントが寄せられる。

インターネットはスマホベンダーと消費者との距離を近づけ、ブランドイメージをクリアにした。 数年前、発売したばかりのスマホで在庫切れが起きた際、シャオミの雷軍CEOは自身の微博(Weibo)に「皆さん、せかさないでください。私も工場に行ってネジを締めてきますから」と投稿し、大企業経営者と一般ネチズンとの距離を一気に縮めた。

インターネットにより、コラボ商品は最高の時代に入ったのだ。

好きなアニメ、お気に入りのアイスキャンディー、ひいきのサッカーチームと毎日持ち歩くスマホがコラボしていると、大好きなモノが寝る時も仕事中も一緒、友人にも見せびらかせる。

スマホの機種変更には、買い替え費用だけでなく時間や労力、心理的な負担もかかってくる。コラボ商品は消費者の気持ちを買い替えに向かわせてくれる。

コラボ商品が抱える課題

OPPOと「エヴァンゲリオン」「ガンダム」、「vivo」のスマートフォン「iQOO Z1」と「ワンピース」など、人気アニメとコラボしたスマホがファンの心を鷲づかみにする一方で、リアカバーを取替えるか、シールを貼るだけで十分との声もある。

スマホベンダーのコラボ相手はファンを引き付けるが、消費者もコラボ商品に反映されているのは外観のみで、機能自体に変化がないことを十分承知している。コラボ商品の抱える課題はここにある。たとえば、ファーウェイがポルシェとコラボしたスマートフォン「PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 20 RS」は、外観をポルシェを思わせる高級感のある外観にしただけだった。

シャオミの中国エリア総裁と同サブブランド「Redmi」GMを兼任する盧偉氷氏は2月、この件について言及し、ファーウェイは「不正確な表現」を使っていると揶揄した。

その後、ファーウェイはEVメーカー「比亜迪(BYD)」ともコラボしている。 BYDが7月初旬にリリースした旗艦モデルの新型セダン「漢(Han)」は、世界初のファーウェイ5Gシステムを搭載した量産車で、ファーウェイ自社開発OS「鴻蒙(Harmony)」ベースの「HiCar」システムにより、スマホとセンサーレスで接続できるようになっている。一方、ファーウェイは旗艦スマホ「P40」のBYD「漢」エディションを製作、同車のイグニッションキーとして使用できるという。BYD「漢」オーナー限定品と推測されるが、詳細はまだ明らかになっていない。

自動車メーカーとの技術的なコラボレーションは、人気アニメやブランドとのコラボレーションよりもずっと深くマーケティングに関わってくる。

スマホベンダーがファンを獲得するのは難しく、携帯電話市場の世代交代は速い。アップルは中国国内で依然として人気を集めているが、ますます優秀になるAndroid搭載の中国製スマホで満足する人も増えてきている。 競争圧力に加え、消費者の心は移ろいやすい。他ブランドとのコラボレーションでデザインを変更するのはまずまずの選択だろう。ただ、外観を良くするだけでは長期的な解決策にはなり得ない。最後にモノを言うのは本質的な進歩だ。(翻訳・永野倫子)

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