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健康維持やダイエットの上で、糖質の摂取管理が大きく注目される中、関連のスマート家電製品を販売する中国の「小甑科技(ZENTEC)」は、海外市場ですでに60万人以上のユーザーを獲得している。中でも注目されているのが体に吸収されやすい糖質をカットする炊飯器。糖質ダイエットが人気を呼ぶ日本でも認証申請にも動き始めた。
お米のアミロペクチンを最大99.73%除去
米は主に二種類のでんぷんを含んでいるが、このうち血糖値の急速な上昇を促し、体内で脂肪に変換されやすいのはアミロペクチンだ。小甑科技が開発した糖質カット炊飯器は、特許を持つ負圧水循環濾過システムで数十回の濾過と沈殿を繰り返して米のアミロペクチンをより吸収の遅いでんぷん(アミロース)に転換する。この結果、最高で99.73%のアミロペクチンを除去し、米を食べたときの血糖値の上昇(GI値)を下げる。小甑科技は、このような機能を持つ糖質抑制のための炊飯器を数機種揃えている。
創業者の呉名均氏は、この一連の糖質コントロール技術は10年におよぶ基礎研究の成果であり、現在すでに2000件以上の特許を申請し、発明特許だけで200件以上あり、内容としては主に血糖値管理のスマート化による血糖降下と簡便化したモニタリングシステムに集中していると話す。
同社の最も売れ筋の低糖質炊飯器はすでに日本で医療機器(クラスⅡ)の臨床試験を終了し、認証を申請している。中国国内での研究や臨床も進めており、来年3月から医療機器としての申請を行い、同年末には医療機器としての認定を受ける予定だ。
共同創業者の胡小建CTOは清華大学自動車工学部を卒業後カナダの大学で博士号とMBAを取得し、かつてボルボ中国地区総裁などを務めた。
海外市場で60万人のユーザー
小甑科技の糖質抑制炊飯器は、海外市場ですでに60万人以上のユーザーを獲得している。最初に日本市場に進出し、2018年に発売。一時は数カ月待ちとなる人気だったという。またカナダのトロント市に進出し、トロント政府と戦略的パートナーシップを結んでいる。
中国市場では今年7月に発売し、現在インターネットで販売している。中国では炊飯器市場でも糖質コントロールが流行し、昨年末には「美的(Midea)」、「蘇泊(SUPOR)」などの国内家電ブランドも糖質抑制炊飯器を販売している。これらの競合品と比べると、小甑科技には医療水準の技術があり、10年の研究基礎がある。
現在、中国の炊飯器は高機能化が進んでおり、糖質炊飯器の普及率は2019年末時点で3.1%に達した。小甑科技は中国市場での販売に一層力を入れ、2021年には売上高2億2500万元(約35億円)を達成し、上海のハイテク企業向け市場「科創板(スターマーケット )」でのIPOを目指す。現在プレシリーズAでの資金調達を進めており、3000~5000万元(約4億7000万~7億8000万円)を調達し、主に販売ルートの拡大、研究開発への資金投入、新製品開発のスピードアップに充てる計画だ。(翻訳・二胡、編集・後藤)
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