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中国の新興EVメーカーを代表する一社「小鵬汽車(Xpeng Motors)」が先月27日、米ニューヨーク証券取引所に上場した。中国新興EVメーカーとしては「蔚来汽車(NIO)」、「理想汽車(Li Auto)」に続く3社目の米国上場だ。小鵬汽車は上場初日の取引開始10分後に株価を66%上げ、今月7日時点で約19ドル(約2000円)をつけており、先行して上場した蔚来汽車の約18ドル(約1900円)、理想汽車の約17ドル(約1800円)を上回っている。
普段は寡黙な人物として知られる創業者の何小鵬氏は上場セレモニーで興奮を隠せず、「人は夢があるからこそ偉大だ」と熱く語った。
憧れのテスラに倣って
学生時代はコンピューターを専攻し、キャリアの前半部分ではソフトウェアやアルゴリズムに携わってきた何氏は、過去にスマホ用ブラウザを手がける「UC優視科技(UC Web)」を創業。2014年、37歳の時に同社を40億ドル(約4200億円)でアリババグループに売却し、一気に名声を高めた。自身が学生時代に定めた「40歳までに経済的自由を獲得する」との目標を見事に達成している。
2017年には自動車事業一本に集中することを決意。小鵬汽車のCEOとして新たな道を模索しはじめた。
何CEOはEV業界をリードする米テスラを手放しで評価しており、「テスラは必ずや偉大な企業に成長する。その『偉大さ』を時価総額で計るならば、5000億ドル(約53兆円)は超えるだろう」と発言している。自動車業界を変えるのは実力と新たな思考回路を兼ね備えた企業や人物であると確信しており、テスラおよび同社を率いるイーロン・マスク氏がこれに相当する存在だと位置付けている。
小鵬汽車は中国の新興自動車メーカーの中でも「最もテスラに近い」タイプの企業とみられている。とはいえ、何CEOは決して盲目的にマスク氏の路線を追随しているわけではなく、むしろこれを追い越したいと考えている。
2019年末、テスラの上海工場から初の中国製車両が納車を開始した。蔚来汽車の李斌CEO、理想汽車の李想CEOはいずれもこれに対しプレッシャーを感じていると述べたが、何CEOは「我々の製品はテスラよりずっと優れている」と言い放ったという。
そのテスラは2019年第4四半期の決算報告で重要なシグナルを打ち出している。同社のソフトウェア関連サービスを徐々にアップルのような自社完結のエコシステムとして構築していくというのだ。
小鵬汽車が上場前に行ったロードショーで提示された資料では、インベストメント・ハイライトの第1項目としてソフトウェアやコンテンツの定額サービス実施を挙げている。同社の公式データによると、小鵬のカーオーナーの約半数が、2万元(約31万円)の定額制を採用する同社の運転支援システム「XPILOT 3.0」を購入しており、今年6月には音楽のストリーミングサービスも定額制でスタートした。今後も多くのソフトやコンテンツがサブスクリプション形式で利用できるようになるという。
同社のIPO目論見書には、2018年から2020年前半にかけて、研究開発費として総売上高の59%にあたる約37億5000万元(約580億円)を投入したとしており、全従業員に占める研究開発人員の割合は43%に上ると記されている。
テスラが成功したことで、そのビジネスモデルが正しかったことが一定程度証明された。同社のビジネスモデルに準ずる小鵬汽車だが、その製品価格は15万~30万元(約230万~460万円)とテスラの価格帯よりもあえて下げており、テスラ車には手の届かない層にアプローチをかけている。(翻訳・愛玉)
中国新興EV御三家「小鵬汽車」の目的地(下)、第二のトヨタを目指す
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