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家具・家電のレンタルプラットフォーム「淘租公(TAOZUGONG)」が、今年1月にシリーズAで数千万元(約数億円)の資金調達を行ったことがわかった。出資者はカナダのファミリーオフィス系ファンド「S&S HOLDINGS INC」で、資金校調達後の企業評価額は1億2000万元(約18億円)となる。
同社のエンジェルラウンドの出資者は「梅花創投(Plum Ventures)」。プレシリーズAでは、「険峰長青(K2VC)」がリードインベスター、「真格基金(ZhenFund)」、「策源創投(Ceyuan Ventures)」、「新勢能基金(New Potential Energy Fund)」がコ・インベスターとなった。
淘租公は2017年9月に設立され、創業者の戚継光氏はアリババ傘下の共同購入サイト「聚劃算(juhuasuan.com)」の輸入家電部門担当者を務めていた。その経歴を生かし、同社はダイソン、ブルーエアなど海外の高級家電のレンタルを行っている。同サービスは、アリババの信用スコアサービス「芝麻信用(Zhima Credit)」のスコアが600点以上ならデポジットなしで利用でき、レンタル料はひと月10元〜200元(約150円〜3000円)となっている。
同社は2019年6月から海外でもサービスを開始し、現在米国とカナダで法人・個人向けのレンタルを行い、3万人以上の顧客を持つ。新型コロナ禍以前には、米国で4カ月連続黒字を達成した。
戚氏によると、海外でレンタルを手掛けるのは中国国内と比べ利点が多い。まず、先進国ではレンタルサービスを利用する習慣があるため、年間50億ドル(約5300億円)以上の市場が見込める。次に、海外の顧客は送料が必要なことに理解を示すことが多く、顧客獲得のコストが安い。そこに中国国内からのサプライチェーンや、中国国内での開発力を組み合わせることができれば、低コストで高効率の事業モデルを築き上げることができ、競争で優位に立てるのだという。
資金調達後の淘租公は、海外でのサービスをさらに拡大する一方で、中国国内では、都市部の賃貸住宅を中心に事業を拡大していく予定だ。
中国の賃貸入居者は3億人に上ると見られている。こうした対象層向けに家具・家電をレンタルすることで、短期賃貸などに柔軟に対応でき、また、値段が高いため購入をためらう顧客も手軽に高級家具・家電を利用できる。
これまで、淘租公は海外ブランドの小型家電のレンタルが中心だったが、今は洗濯機、冷蔵庫のような大型家電も増えてきた。現在中国で利用できるのは20品目で、今後さらに増やしていく予定である。レンタル期間は最短15日だ。同社の利用者のうち、80%が居住地の戸籍ではないことからも、賃貸生活でのニーズが高いことが伺える。
経営陣によると、淘租公のコア・コンピタンスはサプライチェーンにあるという。日常生活のすべてのシーンに対応でき、コストを抑制することもできている。さらに、家具・家電は自社在庫を抱えるのではなく、外部のリース会社と提携し、ブロックチェーンによる利用履歴管理をしているため、この業界につきまとうアセットヘビーという課題をクリアした。
淘租公の利用者は、76%が32歳以下であり、同社の集計によれば、同一ブランドの場合、レンタルの利用者は購入者より平均年齢が3〜5際若くなるという。家具・家電メーカーにとっても、淘租公のサービスは、顧客の裾野を広げることができるという点で意味を持つ。また、淘租公は海外ブランドの中国国内でのニューリテールの代理店の資格も取得しており、これによりサプライチェーンのコストをさらに下げ、レンタルで気に入ったものを購入するといった多様化したサービスを提供できるようになった。
淘租公のサービスを利用するには、同社のアプリのほか、SNS「WeChat」内のミニプログラム、アリペイ、アリババ傘下のレンタルプラットフォーム「淘宝租賃」などからでもアクセスできる。淘租公の登録ユーザー数は約50万人で、実際の利用者は6万強、年間リピート率は25%、月間リピート率は13%である。
同社の従業員は30人強、杭州に本社、米国とカナダに事務所を持つ。(翻訳:小六)
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