元ファーウェイ副総裁・小牛電動創業者の李一男氏が新興EVメーカーを起業

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電動スクーターを開発・販売する「小牛電動(Niu Technologies)」の創業者で、元小牛電動のCEO李一男氏が、新エネルギー車開発製造企業を創業していたことがわかった。業界トップランナーの「理想汽車(Li Auto)」と同様、李氏の企業もレンジエクステンダーEVを開発しており、最初の車種はSUVで、20万元(約300万円)前後の価格で販売する予定だという。

李氏による新エネルギー車開発は1年前から始まっており、上海などに開発センターを持つ。開発メンバーは約100人だ。現在プロトタイプが完成しており、今後小ロットでの試作段階に入る予定だ。

中国では2014年から大量の新エネルギー車メーカーが創業したが、数年の淘汰の後、現在残っているのは10数社となっている。そのなかで、安定した納車を実現できているのは、「蔚来(NIO)」、理想汽車、「小鵬汽車(Xpeng)」、「威馬汽車(WM Motor)」の数社のみである。しかし、競争が苛酷な分、勝ち抜いた企業の見返りも大きい。このなかで、蔚来、理想汽車、小鵬汽車は上場し、ともに時価総額が約150億ドル(約1兆6000億円)となり、100億元(約1500億円)以上の資金を調達することができた。

新興EVメーカーの成長を目にしたことで、一部のVCは新興EV産業にもっと投資すべきだったと反省している。それらの機関が李氏に投資するかどうかは不明だが、ICT産業で伝説的な知名度を誇る李氏は、投資先として十分魅力的な存在だ。

李氏は1970年生まれで、わずか15才で大学に進学するなど、「天才」と呼ばれていた。卒業後はファーウェイに入り、27歳でファーウェイの副総裁に就任。当時は、彼をファーウェイの創業者兼CEOの任正非氏の後継者筆頭とみなす報道もあった。

しかし、李氏は2000年にファーウェイを離れて起業した。彼の会社はその後ファーウェイに買収されたが、李氏は再度ファーウェイを離れ、バイドゥ(百度)のCTOに就任。その後も「中国移動(チャイナモバイル)」傘下の情報技術企業のCEO、「金沙江創投(GSR Ventures)」のパートナーなどを歴任した。

李氏は2015年4月に小牛電動を創業し、CEOに就任。同年6月1日に初の電動スクーターを発表したが、その2日後に、インサイダー取引の疑いで逮捕され、有罪判決を受けた。2017年12月に出獄したときの李氏は、引き続き小牛電動の筆頭株主であったが、会社の経営からは離れた。

そして今年、50歳になった李氏は再度起業した。電動スクーターとEVは、同じくスマート化と電動化を目指しており、共通するリソースが多数あるため、EV産業で起業したことは驚きではない。理想汽車と同じレンジエクステンダー式を採用したのは、航続距離への懸念を払拭するのに、これが現時点でもっとも有効な方法だからだろう。

また、理想汽車と李氏には資金面でのつながりもある。「明勢資本(Future Capital)」は理想汽車に複数回出資しており、小牛電動の初期段階でも出資した。そして、李氏は2018年3月に「梅花創投(Plum Ventures)」のパートナーになったが、梅花創投は理想汽車に出資しているのである。

ブランドの影響力と企業の資金力から言えば、蔚来、理想汽車、小鵬汽車、威馬汽車が中国の新興EVメーカーのトップランナーであり、なかでも蔚来、理想汽車、小鵬汽車は「3大新興EV」と呼ばれている。李氏の新企業は、はたしてこの構造を変えることができるのだろうか。

(翻訳:小六)

 

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