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米国の対中制裁以来、中国の半導体チップ業界が熱い。特に今年は川上、川下を問わず新たなベンチャーキャピタルブームが起きている。ITスタートアップ専門の投資機関「雲岫資本(WINSOUL CAPITAL)」のデータによると、今年は7月時点で半導体分野への投融資額がすでに昨年の総額を大幅に上回り、中でもチップ設計に7割以上の投資が集中している。
既存のチップ設計会社が生産能力を拡充し、スタートアップも参入しているうえに、畑違いの大企業も参入して設計段階から着手している。そのため、チップ設計は人材争奪戦の主戦場となっている。
現在チップ設計関連企業が提示する給料は20~30%上昇し、一部の大企業は45%以上引き上げている。
長年、チップのうち最も製造が難しいアナログICは日米欧の企業に独占されてきた。この現状を打破するためにも、アナログIC関連では最先端の人材が重宝され、転職後に給与が数倍になることも珍しくない。
激しい人材争奪戦は、大企業間で繰り広げられている。ファーウェイ傘下の半導体メーカー「ハイシリコン(HiSilicon、海思半導体)」は中国チップ設計業界の人材を養成しているが、外部要因のために最近では退社する人も多い。ハイシリコンを退社した人は国有企業に転職するケースもあれば、スタートアップでパートナーなどの職位に就くケースもある。ハイシリコン出身者の給与は高く、どの会社でも引き抜ける財力があるわけではない。
スマホメーカー「OPPO」は昨年末から自社製チップ開発を目指す「マリアナ」計画を始動させた。北京ではベースバンドチップの開発を始めたばかりだ。上海では長らくアプリケーションプロセッサの研究を行っている。台湾にもオフィスがあり、今もなお大量の人材を募集している。
ヘッドハンティング業界関係者は「OPPOは中国国内で少なくとも20社以上のヘッドハンティング会社に依頼し、チップ製造の全プロセスで人材を探している。報酬面でも気前が良く、200万元(約3000万円)以内なら給与交渉も可能だ」と話す。
このほか、大学もすでにチップ人材争奪戦のもう一つの激戦地になっている。最も目立ったアクションを起こしたのはファーウェイCEOの任正非氏だ。7月から9月にかけ、自ら北京大学、清華大学、復旦大学などの有名大学を訪問した。
データによると、チップ設計業界の新卒者の年収は20~30万元(約310万~470万円)だ。多くの学生は、初任給は昨年より1000~2000元(約1万5000~3万円)上がったと話す。
注意したいのは、チップ人材需要の爆発的な増加はスタートアップが大量に出現したためだが、一部ではバブルが起きていることだ。典型的な例はAIチップで、数年間のやみくもな拡大の末にAIチップの創業ブームは去り、多くのチップ製造プロジェクトが潰れた。
チップ製造は非常に複雑であり、先が見通せないことはそのうちの氷山の一角にすぎない。
(翻訳・二胡)
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